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2017-09-20 平成29年第3回定例会(第2日目) 名簿
2017-09-20 平成29年第3回定例会(第2日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2017-09-20
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    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、代表質問    寺 田 洋 一 君    堀 口 文 治 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 代表質問 ◯議長(柴立鉄彦君)代表質問であります。  寺田洋一君に発言を許可いたします。    [寺田洋一君登壇](拍手) 3 ◯寺田洋一君 平成二十九年第三回定例会に当たり、自由民主党県議団を代表して質問いたします。  先般の台風十八号は、十七日に南九州市付近に上陸し、日本列島を縦断し、大分県など各地で記録的な豪雨をもたらし、大きな被害が発生しております。
     七月初めに福岡県や大分県に甚大な被害をもたらした九州北部豪雨を初めとして、相次ぐ台風や集中豪雨の襲来により犠牲となられた方々に、改めて心から哀悼の誠をささげますとともに、被災者の皆様方の一日も早い生活再建と被災地の復興を心から祈念するところであります。  さて、北朝鮮は、十五日に再び我が日本列島上空を通過する弾道ミサイルを発射いたしました。今回も八月二十九日に北海道襟裳岬上空を経て北太平洋に落下した中距離弾道ミサイルと同型であるものの、飛行距離は前回より約千キロ伸びた三千七百キロメートルに達し、米軍の重要拠点グアムを射程とする攻撃能力を誇示したと見られております。  北朝鮮は、今月三日に、国際社会の制止を無視して六回目の核実験を行い、「大陸間弾道ミサイル搭載用の水素爆弾の実験に成功した」と発表いたしました。国連の安全保障理事会は十一日に追加の制裁決議を全会一致で採択し、結束して一段と強い圧力をかける姿勢を示したばかりであります。北朝鮮は、制裁決議に「全面的に排撃する」と反発しており、今後も新たな挑発への懸念が高まっております。  政府は、全国瞬時警報システム─Jアラート─を通じて十二道県の自治体に情報を伝達しましたが、今回も機器の故障等によるトラブルが相次いだほか、国民の間には一様に不安の声や困惑する声が上がりました。  緊迫度を増す一方の北朝鮮情勢は、我が国が戦後経験したことのない有事が現実の脅威であることを認識させるものであり、国民の間には衝撃が広がっております。政府においては、国際社会と連携したさらなる圧力強化を進める一方で、現在、最も優先すべき課題は、不測の事態に備えた万全の危機管理体制を整えることであります。  急速に技術進展を進めている北朝鮮に対して、現在のミサイル迎撃システムでは対応が不可能と言われております。地上配備型迎撃システム、イージス・アショアの導入やイージス艦搭載ミサイルや地対空誘導弾の改良型の配備など多層的なミサイル迎撃システムの強化を初めとする防衛態勢の強化や、国民保護のための態勢整備など、現実的かつ具体的な有事対応力の強化が急務であり、全力を挙げて取り組むことを望むものであります。  県においても、国民保護法に基づき、市町村と連携した緊急時情報連絡態勢の確立や住民への普及啓発、避難訓練の実施等に努めるよう要望いたしておきます。  それでは、通告に基づき質問してまいります。  初めに、知事の政治姿勢についてであります。  三反園知事が就任されて一年余りが経過したところであります。知事は就任以来、マニフェストの実現に向けて、知事と語ろう車座対話の開催や国内外でのトップセールスの実施、原子力安全・避難計画等防災専門委員会の設置・開催などに取り組んでおられます。  今年度は、特に子育て支援や高齢者の生きがいづくり・健康づくりに力を入れていくこととされており、就任一年を迎えた七月二十八日に、マニフェスト等の進捗・取り組み状況が公表されたところであります。  知事は、「ほとんどの項目で、実施または実施に向けた取り組みを行っている」と強調されています。しかしながら、主な進捗・取り組み状況として挙げられているものの多くは、県の長年の取り組みの成果であったり、これまでの施策の延長線上にある事業である一方で、マニフェストに掲げられていたドーム球場やウォーターフロントの整備、アウトレットモール、テーマパークなどの大型施設の整備や種子島・屋久島へのLCC路線誘致等については、外部有識者による専門委員会等に検討を委ねたり、課題整理や情報収集活動の域を出ていないものや、また、指宿有料道路の無料化など、既に任期中の実現は困難になっているものもあります。  一方、私どもは知事就任当初の代表質問において、知事のマニフェストや所信表明に県の財政運営について全く言及がないことを指摘し、県政運営の根幹は財政運営であり、県政の現状を十分踏まえた上で持続可能な財政運営への取り組みを強く要望いたしました。知事が昨今、県の厳しい財政状況を踏まえた発言が増加していることは、県政の実情についての認識が深まったものと理解するところであります。  もとより、知事就任後、現実に県政運営を担う中で、任期内に達成または達成の目途が立っているものがある一方で、内容を変更し必要な軌道修正を行うべきものがあることは、むしろ当然なことであると考えます。重要なことは、その内容を議会はもとより県民に対してわかりやすく丁寧に説明し、理解を得ることであると考えます。  知事は、「聞こう!語ろう!対話の県政」を掲げ、知事と語ろう車座対話の開催に積極的に取り組んでおられますが、議会もまた県民の負託を受けた県民の声の代弁者であることを再認識され、今議会においては、議論に正面から向き合い、真摯かつ具体的な答弁により、さらなる理解が深まることを強く要望するところであります。  さて、今年度中に策定予定の新たな県政ビジョンについては、県政ビジョン策定有識者委員会等の意見を踏まえ、先般、骨子案が示されたところであります。  知事は、本年第一回定例会において、「鹿児島の行政課題や挑戦すべきテーマを明確にし、中長期的な観点から本県のあるべき姿や今後の県政の進むべき方向性、戦略を示す新たな県政ビジョンを策定する必要がある」と答弁されており、ビジョンには、知事のマニフェストの実現に向けた取り組みや方針が反映されるものと考えております。  そこでお伺いいたします。  第一点、就任一年を振り返っての知事の所見、今後の県政運営についての決意をお示しいただきたい。  第二点、今回公表されたマニフェスト等の進捗・取り組み状況や財政状況等を踏まえて、マニフェストの実現に向けた任期中の方策や見通しについて、知事の考えをお示しいただきたい。  第三点、改めて、県民及び議会への対応・説明責任についての知事の考え方をお示しいただきたい。  第四点、新たな県政ビジョンの骨子案で示した鹿児島の将来像についての知事の基本的な考え方についてお示しいただきたい。また、マニフェストの県政ビジョンへの反映についてもお示しいただきたい。  次に、総務関係について伺います。  財政問題についてであります。  国によると、平成二十八年度の地方税収は、年度前半の円高で輸入額が円換算で目減りしたため地方消費税が減少したことなどにより、前年度より一千億円少ない総額約四十兆三千億円となっております。また、国の税収も法人税収などの減少により八千億円減の約五十五兆五千億円となり、リーマン・ショック以降の景気回復により税収は増加してきておりますが、七年ぶりに国税・地方税とも前年度を下回ったところであります。  今年度の国の一般会計予算では、総額九十七兆五千億円の約一六%に当たる十五兆六千億円が、地方自治体に地方交付税交付金等として配分されており、この額は、社会保障関係費の三十二兆五千億円に次いで多くなっているところであります。一方で、地方自治体の財政調整基金などの基金残高は、平成十七年度の約十三兆円から平成二十七年度は約二十一兆円と、十年間で約八兆円増加しております。  政府の経済財政諮問会議において、安倍首相から地方自治体の行財政改革を加速させるよう指示があり、今後、基金の残高が多い自治体には、国による地方交付税交付金の配分額を抑えることなどが検討される見通しと報じられているところであります。また、国は今年度の地方税収を四十一兆一千億円と見込んでおりますが、税収が見込みどおり伸びなければ、歳入確保のため基金の取り崩しが必要になる可能性があります。  総務省は、都道府県及び市町村に対し、各基金の目的や今後の増減の見込みなどについて調査を実施し、現在、自治体ごとの基金の実態把握を行っているところであります。また、内閣府は、中長期の経済財政に関する試算において、経済再生ケースでも平成三十二年度の国と地方を合わせた基礎的財政収支が八兆二千億円程度の赤字になるとの試算を示し、財政健全化目標の実現に向けて、引き続き、経済・財政一体改革を着実に推進していくことが重要であるとしております。  一方、先般開催された県の第二回行財政改革推進プロジェクトチーム会合において、来年度当初予算編成における財政収支見通しについて、行財政改革をしなかった場合、一般財源ベースで七十八億円の収支差が見込まれるとの試算が示されております。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、県税収入の直近五年程度の推移と平成二十九年度の見通し及び税収確保に向けた取り組みについてお示しいただきたい。  第二点、県及び県内市町村の基金残高等の調査結果と、それに対する県の見解及び今後の対応についてお示しいただきたい。  第三点、国の財政再建目標の達成が厳しい状況の中、来年度の地方財政対策の見通し及び対応についてお示しいただきたい。  第四点、来年度予算編成において、行財政改革をしなかった場合、収支が七十八億円不足するとの試算について、今後どのように対応するのか、お示しいただきたい。  次に、ふるさと納税制度について伺います。  総務省は、ふるさと納税制度による平成二十八年度の自治体への寄附総額が前年度の一・七倍で過去最高の二千八百四十四億円余りとなったと発表しております。本県全体への寄附総額も前年度の一・八倍、百三十五億百万円で過去最高となり、寄附額は全国七位となっております。県内市町村では、志布志市が二十二億五千三百万円でトップであり、大崎町、南さつま市、鹿屋市及び曽於市の計五市町で寄附額が十億円を超えているところであります。  しかしながら、一方で、県に対する寄附額から今年度の住民税の減収分を差し引いた実質的な収支は約三億円の赤字であり、前年度から赤字幅が倍増したと報じられております。  市町村からは、財源確保に加え、特産品の販路拡大等により地場産業の振興につながるとの考えから、さらなるPRに取り組みたいとの声も聞かれておりますが、総務省では、都市から地方への税源移転というふるさと納税制度本来の趣旨のほか、一部の高額な返礼品について、見返りを求めない寄附制度本来の趣旨に反するとの懸念や、過度な返礼品競争に対する懸念から、本年四月一日付で、寄附額に対する返礼品の調達価格の割合を三割以下にする旨の通知が出されているところであります。  さらに、国は、返礼品競争の過熱問題に対する影響が大きいと判断した約二百自治体に対し、改めて五月下旬に対応を回答するよう要請し、また、返礼品を見直さない約二十の自治体には見直しを求める方針が示されているところであります。また、全国知事会においても、ふるさと納税制度については、地域活性化等に資する効果もあることから、制度を健全に発展させていくためにも、国の通知も踏まえつつ、節度ある運用とすべきであるとしております。  今後とも、ふるさと納税による寄附を地域活性化につなげるため、各自治体が知恵を出し合い、政策を向上させることが重要であると考えます。  一方、過去最高を記録したふるさと納税に対して、平成二十八年度税制改正において創設された地方創生応援税制である企業版ふるさと納税については、「伸び悩んでいる」と報じられているところであります。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、県、市町村におけるこれまでの寄附金の活用状況及び実質的な収支が赤字となっていることに対する県の見解と、今年度からの県の取り組みについてお示しいただきたい。  第二点、総務省通知を踏まえた市町村の対応状況及び県の対応についてお示しいただきたい。また、今後ともふるさと納税を地域の活性化につなげていくことに対する県の見解をお示しいただきたい。  第三点、企業版ふるさと納税の概要及び本県での実績、今後の取り組みについてお示しいただきたい。  次に、県民生活関係について伺います。  子供・子育て支援への取り組み等についてであります。  厚生労働省が公表した平成二十八年の人口動態統計によると、出生数が前の年より約二万九千人少ない約九十七万七千人となり、百万人の大台を初めて割り込んでおります。また、女性一人が生涯に産む子供の推定人数─合計特殊出生率─も一・四四となり、二年ぶりに低下しているところであります。  国立社会保障・人口問題研究所が平成二十七年に実施した調査結果では、夫婦が希望する子供の数の平均は二・三二人となり、過去最低となっております。また、人口動態統計によると、前年に比べ、第一子の出生数は約一万八千人、第二子以上の出生数は約一万人減少しております。  出産や子育ての情報提供に取り組む、一般財団法人ワン・モア・ベビー応援団のことしの調査によると、子育て世代の男女の七割超が第二子以降の出産をためらう「二人目の壁が存在する」と回答し、その要因として、経済的な理由や育休制度等に伴う職場復帰への影響など、仕事上の理由を挙げております。このように、社会的な環境が要因で子供を産めない状況があれば問題であります。  国においては、平成二十九年度末までの待機児童の解消を目指していましたが、非常に厳しい状況を踏まえ、三年先送りして、新たに、平成三十年度からの計画である子育て安心プランを策定し、約二十二万人分の保育の受け皿を整備して、遅くとも平成三十二年度末までに待機児童を解消することとしたところであります。  知事は、ことしの第一回定例会で、保育サービスの一層の充実が図られるよう市町村の取り組みや保育所等の整備を支援し、保育士の処遇改善と人材育成に係る県独自の取り組みも実施することで保育士の確保に努め、平成二十九年度末までの待機児童解消を図る旨の答弁をされておられます。また、第二回定例会においても、「県子ども・子育て支援事業支援計画に基づき、今年度は六百人超の定員増を図るため、保育所等の整備を支援するほか、保育士の確保にも努めている」と述べられているところであります。  そこでお伺いいたします。  第一点、本県における出生数の減少の状況及びその要因についてお示しいただきたい。  第二点、保育士確保のために今年度から県独自で取り組んでいる処遇改善と人材育成に係る事業の具体的な取り組みについてお示しいただきたい。  第三点、国では待機児童解消が先送りされたところですが、県の平成二十九年度末の待機児童解消に向けた取り組み状況及び達成見込みについてお示しいただきたい。  次に、高齢者の生きがいづくり・健康づくりについて伺います。  我が国の総人口は、平成二十七年の国勢調査によると一億二千七百九万人と、前回調査から〇・八%減少しており、大正九年の調査開始以来、初めて減少し、人口減少局面に入ったと言われております。一方で、団塊の世代が加わったことで高齢化がさらに進んでおり、六十五歳以上人口の割合は二六・六%と世界で最も高い水準となり、また、平均寿命も、女性で八十七・一四年、男性で八十・九八年と、いずれも過去最高を更新しているところであります。  本県においては、若年層の就職・進学による県外への転出や少子化等により、総人口は昭和六十年代から減少傾向にあります。平成二十七年の国勢調査によれば、高齢化率は二九・四%と、全国の二六・六%より高く、全国で十九位となっております。また、百歳以上の高齢者は千三百六十五人となっており、人口に占める割合では全国四位となっているところであります。  これからの地域社会においては、元気な高齢者は貴重な人材であり、その豊富な知識や経験・技能を生かせるような環境整備を行うことが必要であります。全国よりも高齢化が進行している本県においては、高齢者が住み慣れた地域で生きがいを持って、健やかで安心して暮らせるよう、高齢者の生きがいづくりや健康づくり、社会参加活動を促進していくことが喫緊の課題であります。  このため、県ではこれまで、地域の高齢者の自主的な健康づくりや介護予防活動、社会参加活動等に対して、地域商品券等に交換できるポイントを付与する高齢者元気度アップ地域活性化事業を展開しており、また、今年度から新たに、高齢者の積極的な外出を促進し、高齢者の生きがいづくりや健康づくりを促進する施策を検討するため、県有の常設展示施設の入館・入園料を無料化する、かごしまのシニアお出かけ促進事業に取り組んでおられます。  また、県シニア元気生き生き推進会議を設置し、高齢者の健康づくり、介護予防や生きがいづくり等の取り組みを拡大するとしており、先般、第一回推進会議が開催されたところであります。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、高齢者元気度アップ地域活性化事業の実施状況、効果、課題及び市町村との連携・支援についてお示しいただきたい。  第二点、かごしまのシニアお出かけ促進事業の利用状況、対象者に実施しているアンケート結果、効果についてお示しいただきたい。  第三点、高齢者の生きがいづくり・健康づくりに向けた県シニア元気生き生き推進会議設置の狙い、第一回会議の内容、今後の会議の開催予定と会議の内容を踏まえた今後の対応についてお示しいただきたい。  これで、第一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 4 ◯知事(三反園 訓君)お答え申し上げます。  就任一年を振り返っての所見と今後の県政運営への決意についてのお尋ねであります。  私は、知事就任以来、県民が主役の県政を行おうと走り続けてまいりました。これまで、多くの県民のもとを訪れて意見交換を行い、真摯に耳を傾け、その声を県政に反映させる努力をする。また、災害が起こればすぐに現場に駆けつけ、スピード感を持って対応する。そうした県政を進めていきたいとの思いで取り組んできた一年でありました。  就任後、初めて編成いたしました今年度当初予算におきましては、新しい力強い鹿児島をつくるために、何よりもまず子育て支援、そして高齢者の生きがいづくり・健康づくりに力を入れるべきだとし、関連事業を重点施策として位置づけ、実施しているところであります。  また、魅力ある本県の素材を最大限に生かし、県産品のブランド力向上、農林水産物の輸出促進などを戦略的に展開するとともに、少しでも高く売って生産者の所得を向上させる、そのことによって後継者が育つ、この好循環を何としてでも実現したいと、そういう思いで取り組んでまいりました。国内外でのトップセールスにとにかく精いっぱい取り組む、そうした一年でもありました。  本県では、来年の明治維新百五十周年、大河ドラマ「西郷どん」の放映、そして平成三十二年の鹿児島国体など、これから大規模イベントがめじろ押しであります。この絶好の機会を最大限に生かすために、訪れた方々が、鹿児島に来てよかった、また訪れたい、そう思うような来て見て感動するまちづくりをさらに推進していく必要があると思っております。国内外に本県の多彩な魅力を広く発信して、県産品の販売促進や観光振興を図ってまいらなければならないと思っております。  今後の県政運営に当たりましては、本県の厳しい財政状況を勘案しつつ、行財政改革を着実に推進するとともに、今年度策定することとしている新たな県政ビジョンや各種計画に基づき、各般の施策にしっかりと取り組んでまいります。  私が目指す鹿児島は一つであります。県民や県議会の皆様方の御理解、御協力をいただきながら、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島を目指しまして、引き続き全力で走り続けてまいりたいと思っております。  マニフェストの実現に向けた方策、見通しについてのお尋ねがありました。  マニフェストは、県民の皆様と一緒に新しい力強い鹿児島をつくるための基本的な方針と各種施策を掲げた県民の皆様との約束であります。マニフェストには、四つの政治姿勢と鹿児島を日本一にする六つのお約束として、観光や農林水産業に係る施策など四十一項目を掲載したところであります。  マニフェストに掲げた施策の中には、速やかに行うべきものと、ある程度長い時間をかけてじっくりと進めるべきものがあると考えております。本県を取り巻く社会経済情勢や県議会の御意見、財政状況等も踏まえ、優先順位を判断しながら、四年間の任期中に実現できるよう、また方向性を示せるように努力してまいりたいと考えております。  車座対話やトップセールスなどにつきましては、直ちに実施しておりますが、災害発生時における生産者支援につきましても、スピード感を持って取り組んだところでもあります。特に力を入れている、必要性を強く感じております子育て支援や高齢者の生きがいづくりにつきましても、保育士の処遇改善や保育所等の定員増を伴う整備の促進、高齢者を対象とした県有の常設展示施設の入館・入園料の無料化などを実施しておりますほか、かごしま青年塾の開講、女性活躍に積極的に取り組む企業の表彰制度の創設など、できるものからさまざまな分野で取り組んでおります。  また、例えばウォーターフロントの整備につきましては、マリンポートかごしまにおけるCIQ機能等を有するクルーズターミナル、鹿児島港臨港道路、本港区北埠頭におけるソーラスフェンスの整備など、国などとも連携しながら具体的な取り組みを進めているところであります。  県政においては中長期的な視点で取り組まなければならない施策もありますことから、財政状況等を勘案しつつ、引き続き、具体化を検討し、県議会の皆様の御意見も伺いながら、マニフェストの実現に向けて一歩一歩着実に取り組んでまいりたいと考えております。  県民及び議会への対応であります。  県民の代表である県議会と執行部はいわば車の両輪であります。県民のため、お互いが知恵を出し合いながら活発な議論を重ね、県議会と執行部が一体となって県政の重要な課題に適切に対応し、県勢の発展、県民福祉の増進を図っていくべきものと考えております。議会に対しましても真摯に向き合い、県民にわかりやすい丁寧な答弁に努めてまいりたいと考えております。  今後とも、県議会の皆様方の御協力、御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。  新たな県政ビジョンの骨子案における鹿児島の将来像の基本的な考え方についてであります。  現在、我が国は、本格的な人口減少社会の到来や少子高齢化の進行、経済のグローバル化など、技術革新の急速な進展などによりまして、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えております。一方、本県は、自然、食、歴史など国内外に誇れる一流ですばらしい素材や、成長著しいアジアに近接した地理的優位性など、生かすべき多様なポテンシャルを有しております。新たな県政ビジョンにおきましては、これらの時代潮流や本県のポテンシャルなどを的確に捉えた上で、鹿児島の目指すべき姿や施策展開の基本方向などを明らかにしたいと考えておりまして、このたび、現段階におけるビジョンの構成案を骨子案としてお示ししたところであります。  私は、県民が、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島にしたいという強い思いで県政を進めたいと考えております。そのためには、人が生き生きと輝き、潤いのある暮らしを営み、そして、暮らしを支える魅力的な産業が存在することが大切だと考えております。このようなことから、ビジョンにおきましては、人、暮らし、産業に着目し、鹿児島の将来像─目指すべき姿─をお示ししたところであります。  人に関しましては、県民一人一人が尊重され、挑戦し、活躍できる環境が整っている、地域に誇りを持ち多彩な個性と限りない能力を発揮できるような社会。暮らしに関しましては、防災対策や生活基盤整備などが進んだ中で、結婚・出産・子育ての希望がかない、人々がつながりを持って安心して暮らせる、どこよりも幸せを実感できるような社会。産業に関しましては、革新的技術の活用などによりまして生産性が向上し、柔軟で多様な働き方が可能となり、本県の豊かで一流の資源・素材を活用した逸品が国内外に流通している、魅力ある産業が育ち世界に選ばれる逸品を創出するような社会であります。  新たな県政ビジョンにつきましては、県議会の皆様、有識者委員会、県民の皆様などの御意見も十分にお聞きしながら、今後さらに検討を進め、今年度末をめどに策定したいと考えております。  マニフェストの県政ビジョンへの反映についてであります。  新たな県政ビジョンは、おおむね十年という中長期的な観点から、鹿児島の目指すべき姿や施策展開の基本方向等を示すものであり、県政全般にわたる最も基本となるものであります。このため、県政ビジョンについては、マニフェストも踏まえながら策定作業を進めているところであります。  県シニア元気生き生き推進会議についてであります。  県シニア元気生き生き推進会議につきましては、高齢者が住み慣れた地域で、健やかで安心して暮らせる社会づくりをさらに推進するために設置したものであります。高齢者の健康づくり等の専門家にも御参加いただいております。  去る八月三十一日に開催した第一回目の会議におきましては、県の現在の取り組みを説明するとともに、社会参加活動等に関する情報の高齢者の方々等への周知・啓発方法、健康意識が低い方々への働きかけ、高齢者が高齢者を支える仕組みづくり等の課題について協議を行ったところであります。  また、十月に予定しております第二回目の会議におきましては、地域において実践的な取り組みをされている方々から、課題解決に向けた意見等を伺うこととしております。さらに、十二月に予定しております第三回目の会議におきましては、県の事業や市町村の独自の取り組みについての効果的な周知・啓発方法、さらなる取り組みの拡大等について、具体的に協議することとしております。  県といたしましては、今後とも、高齢者の豊富な経験と知識が生かされるよう、社会参加の場づくりに取り組み、高齢者が生きがいを持って暮らせる鹿児島をつくるために全力で取り組んでまいります。 5 ◯総務部長(寺田雅一君)本年度の県税収入見通しと徴収対策等についてでございます。  本県の県税収入は、平成二十四年度が千二百二十四億二千九百万円で、それ以降は、企業業績の改善や地方消費税の税率引き上げ等により、四年連続して増加してまいりましたが、平成二十九年度当初予算におきましては、本県の経済動向や県税収入の状況、地方財政計画における税収見込み等を勘案し、平成二十八年度当初予算に比べ約十三億円の減となる一千四百三十八億三百万円を計上したところでございます。  今年度の税収見通しにつきましては、現時点では申告や調定状況が見通せないことから、具体的に予測することは困難であり、主要税目である法人二税や地方消費税等の税収動向を引き続き注視していく必要があるものと考えております。
     税収確保に向けましては、鹿児島市に五名の県税徴収対策官を集中配置する取り組みや、市町村との連携による個人住民税の徴収対策等に取り組みますほか、自動車税に係る給与差し押さえ徴収強化期間を設定するなど、引き続き徹底した滞納整理を実施し、収入未済額のさらなる縮減や徴収率の向上を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、国による基金残高等の調査結果と県の見解及び対応についてでございます。  まず、県の平成二十八年度末の基金残高に関する総務省の調査への回答内容について申し上げます。  基金残高の総額は七百五十八億円で、このうち財政調整積立基金が百七十五億円、県債管理基金が七十四億円、特定目的基金が五百九億円であります。平成十八年度末の基金残高と比較いたしますと、総額で三百四億円の増であり、その主な要因は、国民体育大会施設整備等基金や後期高齢者医療財政安定化基金などの特定目的基金の増でございます。また、これらの基金残高の対前年度比の増は、行革、経費節減等や国費などによるものでございます。  今後の増減見込みにつきましては、国の財政再建の取り組みや地方財政の動向が不透明であることを踏まえ、増減を見込むことは難しいと回答しているところでございます。  財政調整積立基金の積み立ての理由及び考え方につきましては、人口や標準財政規模が本県に類似する他の団体と、財政調整積立基金と県債管理基金の残高の合計額で比較すると、いずれも本県の残高は少ない状況であり、安定的な財政運営を行うためには、財政調整に活用可能な基金の充実を図る必要があると回答しているところでございます。  特定目的基金の使途につきましては、主なものを申し上げますと、子育て、少子化対策、高齢化対策、スポーツ振興などでございます。  続きまして、市町村の平成二十八年度末の基金残高は総額で三千百一億円、うち財政調整基金が千百九十九億円、減債基金が四百七十五億円、特定目的基金が一千四百二十六億円となっております。平成十八年度末の基金残高と比較いたしますと、総額で一千五百五十億円の増となっております。  また、これらの基金残高が対前年度比で増加したことにつきましては、多くの市町村が「行革、経費節減等によるもの」と回答しております。今後の増減見込みにつきましては、ほとんどの団体が「減少」もしくは「わからない」と回答しております。  財政調整基金の積み立ての理由につきましては、社会保障関係経費の増大、公共施設等老朽化対策等による経費の増大、災害への備えなどとなっております。特定目的基金の使途につきましては、主なものを申し上げますと、公共施設の整備、まちづくり推進、高齢化対策などとなっております。  県といたしましては、地方は、行財政改革に取り組みつつ、今後、必要となる経費を基金に積み立てていることから、基金残高の増加をもって歳出削減の議論に結びつけるべきではないと考えておりまして、県開発促進協議会や全国知事会等を通じまして、引き続き、地方一般財源総額の確保等につきまして国に要望してまいりたいと考えております。  続きまして、来年度の地方財政対策の見通し及び対応と収支不足への対応についてでございます。  国は、去る六月九日に閣議決定した骨太の方針におきまして、引き続き、平成三十二年度の基礎的財政収支黒字化という財政健全化目標の実現を目指すとし、特に地方財政につきましては、二〇二〇年代を見据えた地方行財政の構造改革を推進し、財政資金の効率的配分を図ることを検討するとしております。  また、御指摘のとおり、内閣府の中長期の経済財政に関する試算では、平成三十二年度には、いわゆる経済再生ケースで基礎的財政収支赤字が八・二兆円程度となると見込まれているところでございます。これらを考慮いたしますと、来年度の地方交付税等について、今後、厳しい調整が行われることが予想されるところでございます。  また、本県の第二回行財政改革推進プロジェクトチーム会合では、現時点での地方財政制度等を踏まえまして、現時点で見込み得る範囲で大まかな財政収支の見通しを示したところでございます。  その結果、平成三十年度当初予算に向けた仮試算において、一般財源ベースで七十八億円の収支不足が見込まれておりますが、今後、事務事業見直し等の行財政改革の取り組みを着実に進め、平成三十年度当初予算編成に向けまして、収支不足の解消を図る必要があると考えております。  現在、行財政改革推進プロジェクトチームにおきまして、歳出面では、施策の妥当性や有効性、効率性などの観点からテーマを設定し、それに沿った事務事業見直しを実施しているところでございます。また、歳入面では、ネーミングライツ公募を開始するなど、取り組めるところから順次着手しているところでございます。  県といたしましては、県勢の発展や県民福祉の向上に資する事業について積極的に推進しつつ、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に徹底的に取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、県、市町村におけるふるさと納税の活用状況等についてでございます。  ふるさと納税に係る寄附金の活用状況につきましては、県におきましては、大学等入学時奨学金貸付事業やドクターヘリ運航事業、奄美群島世界自然遺産登録推進事業など、人材育成、医療・福祉及び環境の三つの分野に活用してきたところでございます。  また、市町村におきましては、小・中学校におけるICT教育のための機器整備や子育て世帯へのメールによる情報発信、六次産業化を推進するためのセミナー等の開催、移住・定住促進のための職業体験ツアーの実施など、それぞれの市町村の状況を踏まえ、創意工夫を凝らしながら、地域の活性化につながる事業に活用されているところでございます。  平成二十八年度のかごしま応援寄附金の寄附額は三千二百万円余りであり、住民税の控除額は三億三千万円余りとなったところでございますが、ほとんどの都道府県におきましても同様の状況でございます。ふるさと納税に係る住民税の減少分につきましては、その七五%分は、地方交付税が増加することにより補われることとなっているところでございます。  なお、本県における市町村分を含めた平成二十八年度のふるさと納税による寄附額は約百三十五億円であるのに対しまして、住民税控除額は約八億三千万円となっておりまして、百二十六億円余り寄附額のほうが多くなっているところでございます。  ふるさと納税につきましては、本年度から県と市町村がそれぞれ募集活動を行っておりますが、県といたしましては、引き続き、市町村と競合しない形で寄附を募ることとし、県外事務所による県人会への出席や企業訪問などの募集活動に加えまして、本年度から寄附者に対し本県の観光地を紹介するDVDを贈呈するなど、効果的に鹿児島県をPRできる取り組みを進めているところでございます。  総務省の通知を踏まえた市町村の対応状況等についてでございます。  ふるさと納税に係る返礼品につきましては、国からの要請を踏まえ、県内のほとんどの市町村が既に見直しを行い、または国が求める本年十一月ごろまでに見直しを行うこととしておりますが、返礼品を調達する事業者との調整に時間を要するなどとして、本年度中の見直しは困難であるとしている団体もあるところでございます。  今回の国の要請は、本制度を健全に発展させていくために行われているものと認識しておりまして、それぞれの市町村が適切に対応を判断されるものと考えておりますが、国が求める秋ごろまでに全ての市町村において見直しが図られますよう、今後、県といたしましても、必要に応じて関係市町村に対し要請を行ってまいりたいと考えております。  ふるさと納税につきましては、その使途について、地域の実情に応じて創意工夫を図り、十分な周知を行って募集するなど、各団体において、本制度の趣旨に沿った運用を図りつつ、地域の活性化につなげていくことが大切であると考えております。  企業版ふるさと納税の概要及び本県での実績等についてでございます。  企業版ふるさと納税制度は、官民挙げて地方創生を進めていく観点から、民間企業の方々に地方創生の取り組みに対する理解を深めていただくとともに、寄附を通じまして積極的に貢献していただくことを期待して創設されたものでございます。  寄附金募集の対象となる企業は、県外に本社が所在する企業とされており、寄附金募集に当たりましては、東京・大阪事務所を中心に、本県にゆかりのある企業に対して、制度概要などについて広く周知を図っているところでございまして、これまで、十一社から合計一千三百万円余りの寄附の申し出があったところでございます。  今後とも、募集対象とする企業の社会貢献活動の内容やイメージアップ戦略などを的確に把握し、本県の地域再生計画に掲げた奄美世界自然遺産や明治維新百五十周年関連のプロジェクトなど三つの事業内容に賛同を得られる可能性の高い企業を中心に、積極的な募集活動を展開してまいりたいと考えております。 6 ◯県民生活局長(中山清美君)本県における出生数の減少の状況と要因についてでございます。  本県の出生数は、平成二十八年が一万三千六百八十八人で、前年と比較して四百三十七人、約三%の減となっており、近年、減少傾向が続いております。その要因としては、価値観の多様化等による未婚・晩婚化の進行や、子育てや教育にお金がかかるなど経済的な理由、年齢・身体的な理由、また、育児の心理的・肉体的な負担感などさまざまな要因が考えられます。  保育士確保のための県独自の取り組みについてでございます。  県では、今年度から、魅力ある保育環境構築事業に取り組んでおり、保育所等の設置者を対象とした処遇改善セミナーや保育士等の給与実態調査を行うほか、社会保険労務士などの専門家による個別指導・助言などを通じて、保育士等がやりがいを持って働き続けられる職場環境づくりの促進を図ることとしております。  また、復職を希望する潜在保育士に対して、最新の求人情報を提供したほか、復職した保育士の事例紹介等を行う研修会を開催するとともに、実際に保育現場を体験する講習会を実施することとしており、今後とも、こうした取り組みを通じて保育士確保に努めてまいります。  待機児童解消に向けた取り組み状況についてでございます。  本県の保育所等の待機児童数は、平成二十九年四月一日現在、六市町で三百五十四人となっております。待機児童解消については、各市町村において、子ども・子育て支援事業計画に基づき保育所等の定員増を図っており、県としては、県子ども・子育て支援会議等を通じて市町村の取り組み状況を把握し、必要な支援や助言等を行っております。  平成二十一年度から二十八年度にかけて約五千人分の定員増を図っており、今年度も、国の交付金等を活用して、約六百五十人分の定員増に向けた施設整備を支援しております。  各市町村においては、平成二十九年度末までの待機児童解消を目指して鋭意取り組んでおり、県としても引き続き、市町村の取り組みを最大限支援してまいります。  かごしまのシニアお出かけ促進事業の実施状況等についてでございます。  この事業の利用状況については、平成二十九年七月末現在で、総入場者数のうち高齢者の入場者数の割合が約四・三%で、当初見込みの約二倍となっております。  また、高齢者の入場者に対するアンケートでは、来場のきっかけについて、「入場料が無料だから」と「健康づくりになるから」が合わせて約四割、外出のきっかけづくりに求めるものについては、「公共施設の入場料の割引」と「自分自身の健康づくり」が合わせて約五割であり、来場するに際して、家族や友人・知人などの同行者を伴う場合が合わせて約八割となっております。  この事業は、今後、外出の重要性と効果について検証を行うこととしておりますが、アンケート結果からは、外出のきっかけづくりに寄与しているものと考えております。 7 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)高齢者元気度アップ地域活性化事業の実施状況等についてであります。  高齢者元気度アップ地域活性化事業は、高齢者が行う自助活動や、高齢者を含むグループが行う互助活動にポイントを付与し、地域商品券等に交換する仕組みであります。平成二十八年度は、個人活動が三十九市町村で約五万九千人、グループ活動が四十二市町村で約一千五百グループが登録しており、全体の登録数は増加傾向にございます。実施市町村からは、ひきこもりがちな高齢者がサロンに出かけるきっかけになった、地域活動の育成・活性化につながったなどの意見を聞いております。  県といたしましては、引き続き、市町村と相互に連携を図りながら、介護予防や見守り・外出支援など、高齢者を地域で支える活動のさらなる促進に努めてまいります。    [寺田洋一君登壇] 8 ◯寺田洋一君 三反園知事、私は県民の代弁者としてこの席に立ち、質疑を重ねていることは先ほども申し上げました。県民の声を代弁し、そしてその意を届ける、それは我々の重要な責務だと思っております。  私のこの登壇席には、登壇者と知事しか立つことはできません。私は真っ正面に座り、知事から答弁を受けましたが、知事が私に目線を送られたことはほとんど今回の質問ではありませんでした。どうかひとつ、私はそんなに怖い顔をしているつもりはありませんから、答弁のときはぜひ真っ正面から向き合っていただきたいなと思うところであります。  マニフェストについて答弁を受けました。  指宿有料道路の無料化など、知事がマニフェストで挙げられたこと、これは、知事の就任前に我々はこの議会で当局から提案を議案として受け、そしてそれを審議し、議決した案件であります。そのことを具体的に今回示し、その方向性の転換を迫ったわけでありましたが、答弁に触れられませんでした。またいつかの機会に議論させていただきたいと思っております。  知事以下、各部長から答弁を受けました。  知事の政治姿勢についてでありますが、本年度は、外部有識者で構成する委員会等で現在、検討が進められている案件が多々あり、今後、検討結果を踏まえて政策判断を行うこととなります。今後の推移を注視しつつ、議会として対応を判断してまいりたいと考えております。  財政問題については、財政健全化目標の実現に向けて歳出削減が本格化するのは必至であり、引き続き、持続可能な行財政構造の構築に向けた着実な取り組みを推進されるよう要望いたしておきます。  ふるさと納税については、応援したい自治体に寄附し、地域活性化を後押しする制度本来の趣旨を考えれば、返礼品競争の自粛を求める国の通知は理解できるものであり、行き過ぎた部分は改善しつつ、地域振興につなげる取り組みが重要であると考えるところです。  子供・子育て支援並びに高齢者の生きがい・健康づくりについては、知事も特に力を入れていくこととされております。高く評価いたします。待機児童の解消と保育の質の向上、元気な高齢者のための環境づくりは極めて重要な取り組みであります。引き続き、さらなる取り組みを進めていかれるよう要望いたしておきます。  次の質問に入ります。  鶴丸城御楼門・御角櫓の建設に向けた取り組み状況について伺います。  鶴丸城の御楼門建設については、鹿児島の新しいシンボルを目指し、民間が主導する新たな官民連携の事業として、鶴丸城御楼門建設協議会が主体となって、平成三十二年三月の完成に向け、取り組んでいるところであります。  御楼門の建設費用については、平成二十五年時点では、民間による試算額である総額七億五千万円を基本としていましたが、試算に含まれていない設計・工事監理費等や平成二十六年の消費税増税、建設資材単価等の高騰などにより、現時点で総事業費約九億円が見込まれているところであります。このため、県においては、平成二十九年度当初予算に追加支援として約六千六百万円を計上されたところであります。  御楼門建設については、本年度建設工事に着手することとしており、四月に開催された御楼門建設協議会総会において、参加資格要件を設定した上で技術提案方式により発注することなどの基本方針が決定され、現在、施工業者の選定手続を行っているところであります。  また、御楼門の建設に当たっては、姉妹県盟約を締結している岐阜県及び宝暦治水に縁のある市町により、岐阜県産ケヤキを提供する鹿児島県との友好の証プロジェクトが進められており、来月、岐阜県で贈呈式を、本県で受領式を開催する予定と聞いているところであります。宝暦治水から時代を超え、先人がもたらした縁と岐阜県からの友好の思いに深く感謝するとともに、今後の両県のきずなが一層深まることを期待するところであります。  一方、御楼門と連なり城郭を構成する御角櫓については、県において御楼門と一体的に整備することとしており、昨年度から基本設計を行っているところであります。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、御楼門建設に係る技術提案方式による施工業者選定の状況及び建設に向けたスケジュールや、現時点における課題等についてお示しいただきたい。  第二点、県が整備する御角櫓について、現在の取り組み状況と今後のスケジュールについてお示しいただきたい。  次に、危機管理関係について伺います。  大規模地震発生に備えた防災対策等について伺います。  七月十一日に発生した鹿児島湾を震源とする地震では、鹿児島市喜入町で震度五強、指宿市、南九州市などで震度五弱の強い揺れを観測したところであります。鹿児島地方気象台によると、震源の深さは十キロメートルで、マグニチュード五・三と推定され、揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどの危険性が高まっているおそれがあり、今後の地震活動や降雨の状況に十分注意が必要とされたところであります。  県内で震度五強以上を観測したのは、平成九年の鹿児島県北西部地震などがあり、今回の地震は、平成十三年に奄美大島近海で発生した地震以来で、十六年ぶりとなったところであります。  今回の地震では、南九州市川辺で、市道脇の崖が崩れ通行どめとなり、鹿児島市喜入町では水道管が破損し断水が発生、南九州市では一時、約千三百戸が停電となる被害が発生しました。また、九州新幹線や在来線、鹿児島市電等が運転を一時見合わせるなど、交通機関にも影響が出たところであります。  県では、地震発生と同時に災害警戒本部を設置し、市町村への情報連絡要員派遣など防災対応に迅速に努められ、知事においては、早速、災害現場を視察されたと聞いておりますが、県民の中には、昨年の熊本地震に続き県内で大きな地震が発生したことで、地震への不安をさらに感じるようになったとの声もあったところであります。  また、最大震度五強を観測した鹿児島市喜入町には国内有数の原油中継備蓄基地があり、大きな災害につながらないか危惧されたところであります。  南海トラフにおける巨大地震発生の可能性が指摘される中、県地域防災計画地震災害対策編においては、この南海トラフを含む鹿児島湾直下など十二の地震等を想定しているところでありますが、いつ、どこで大規模地震が発生するかはわからないのが現状であり、平時から大規模地震に対する防災対策が重要であります。  そこで、以下伺います。  第一点、七月に発生した鹿児島湾を震源とする地震における県と市町村の対応・連携状況、及び平時における地震に対する県民がとるべき対応・備え等についてお示しいただきたい。  第二点、最大震度五強を観測した鹿児島市喜入町の原油中継備蓄基地では、今回の地震による被害はなかったと聞いておりますが、地震における同施設を含む串木野国家石油備蓄基地、志布志国家石油備蓄基地など県内の石油コンビナート等特別防災区域における防災対策はどのようになっているのか、お示しいただきたい。  第三点、南海トラフなど今後の大規模地震発生に備えた県の防災対策及び県を超えた広域連携態勢についてお示しいただきたい。  次に、局地的集中豪雨災害に対する防災対策等について伺います。  平成二十九年七月九州北部豪雨による犠牲者は、福岡、大分両県で死者三十七名、行方不明者四名に上り、道路被害が八百カ所を超えるなど甚大な被害が発生したところであります。気象庁によると、今回の豪雨は、積乱雲が狭い地域に次々と流入する現象である線状降水帯の発生が原因と分析しております。  また、その後も、愛知県や岐阜県においても、線状降水帯が発生したと見られる局地的集中豪雨が発生しており、今後も各地において発生が懸念されるところであります。  災害発生のおそれなどがある場合には、災害対策基本法に基づき、市町村長は住民や滞在者に避難のための避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告及び避難指示を出すことができますが、その判断基準は、降雨量や河川水位など自治体により異なっており、その判断に苦慮する場合があります。  今回被害の大きかった福岡県朝倉市や大分県日田市では、大雨特別警報が出る前に避難指示が出されるなど、早目の対応がとられたにもかかわらず人的被害が発生したところであり、中でも多数の高齢者が亡くなっており、特に、高齢者ら要配慮者などみずから避難することが困難な避難行動要支援者の避難については、日ごろから関係者間で連携する必要があると思われます。  また、福岡県朝倉市の一部地域では、住民に避難指示などを伝える防災行政無線や音声情報のコミュニティー放送が、土砂災害の多発などが原因でふぐあいを起こし、情報が伝わらなかった可能性があると指摘されているところであります。改めて、大規模災害時の情報伝達について、自治体及び関係団体で確認・訓練し、確実な連携を図る必要があります。  県においては、ことし三月に、災害時における県、市町村等防災関係機関による災害対応業務の効率化や迅速化及び住民への情報伝達手段の拡充を図るため、災害情報を収集・集約し、情報共有による災害対応を行うとともに、Lアラート─災害情報共有システム─等を利用して、多様な手段で住民に情報発信する新たな県総合防災システムを整備したところであります。  そこで、以下伺います。  第一点、避難指示等の発令を判断する市町村への情報提供及び避難行動要支援者の避難行動の支援に関する県の取り組みについてお示しいただきたい。  第二点、市町村長が避難指示等を発令する際の判断基準にもなる河川の水位について、全国の都道府県管理河川の七割で水位計が設置されていないとの報道があったところでありますが、本県の管理河川における水位計の設置状況と今後の整備計画についてお示しいただきたい。  第三点、大規模災害を想定した情報伝達に係る県、市町村及び関係団体等の訓練実施状況と今後の対応についてお示しいただきたい。  第四点、新たに整備された県総合防災システムの概要と導入効果についてお示しいただきたい。  次に、国体・全国障害者スポーツ大会関係について伺います。  第七十五回国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」及び第二十回全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」開催に向けた取り組み状況についてであります。  「燃ゆる感動かごしま国体」の開催基本構想については、鹿児島の多彩な魅力を全国に発信する国体を基本目標とし、これを実現するための取り組みとして、県民が夢と希望を持ち心に残る国体、スポーツの普及・振興を図る国体、簡素・効率化を図る国体、鹿児島の魅力を発信する国体及び東京オリンピックイヤーにふさわしい国体の五つが掲げられているところであります。  また、全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」の基本方針は、「深めよう!ふれ愛の絆」、「見つけよう!未来に輝く夢と希望」及び「届けよう!熱い思い」となっております。  開催が三年後に迫り、五月には日本体育協会やスポーツ庁による競技会場予定施設の総合視察が行われ、七月に開催された同協会理事会において、第七十五回国民体育大会について、太陽国体以来四十八年ぶり二度目となる本県開催が正式決定し、会期については、平成三十二年十月三日から十三日までの十一日間とすることとなったところであります。  また、第二十回全国障害者スポーツ大会の開催も決定し、会期は、同年十月二十四日から二十六日の三日間とすることが決定されております。  開催決定を受け、八月八日に、燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会実行委員会が設置されたところであります。  両大会とも、既存施設の有効活用等による簡素・効率化を図ることとしており、現在、競技会場となる施設の整備については、鴨池公園などの県有施設や市町村等の施設についても改修等の整備が鋭意進められております。また、競技運営については、競技役員の養成や競技用具の整備など計画的に進める必要があります。
     先般、開催決定記念イベントが開催されたところですが、開催に向けた機運の醸成を図るため、引き続き、県民一人一人が参加できるよう、広報活動や県民運動を展開する必要があるところであります。  そこで、以下伺います。  第一点、競技会場となる県有施設及び市町村施設の整備の進捗状況及び補助制度の活用についてお示しいただきたい。  第二点、競技役員養成や競技用具整備に係る取り組み状況についてお示しいただきたい。  第三点、両大会の県民への周知や開催機運の醸成に向けた取り組みについてお示しいただきたい。  次に、商工労働水産関係について伺います。  製造業の振興についてであります。  県では、平成二十三年に策定したかごしま製造業振興方針を平成二十八年三月に改訂し、従来からの自動車産業、電子関連産業、食品関連産業の重点三分野及び環境・新エネルギー産業、健康・医療産業、バイオ関連産業の新成長産業分野に航空機関連産業を加え、産学官の関係団体が一体となって本県製造業の振興に取り組むことにより、本県の経済基盤を安定したものにするとともに、雇用の創出を図ることとしております。  また、現方針においては、本県製造業の稼ぐ力に視点を置き、付加価値の創出・向上、販路拡大や新分野参入などのビジネス展開、企業立地の促進、製造業を支える人材の確保・育成の四つの柱に重点を置いた施策を展開することとしております。  こうした取り組みにより、県内企業の参入・取引支援や関連企業の立地促進を図っていくこととしており、計画期間の平成三十二年度までの各種目標値も設定されているところであります。  さらに、知事は、マニフェストの産業・雇用「若者と女性が輝く鹿児島、産業・雇用で日本一に!」の中で、「宇宙開発など近未来技術特区の実現で、研究機関の誘致と関連産業の企業誘致を図る」と述べておられます。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、かごしま製造業振興方針の改訂で取り入れられた新たな視点に基づく県の取り組みについてお示しいただきたい。  第二点、同方針に定めている各種目標値達成のための具体的な取り組みについてお示しいただきたい。  第三点、マニフェストで述べられている、宇宙開発など近未来技術特区の実現による研究機関の誘致と関連産業の誘致を図るための県のこれまでの取り組みと、今後の具体的な取り組みについてお示しいただきたい。  次に、起業・創業支援について伺います。  我が国の経済・社会構造の変化及び経営者の高齢化の進展に伴い、中小企業・小規模事業者の数は年々減少を続けております。これまで地域経済を支えてきた中小企業・小規模事業者が市場から退出することで、地域の活力が失われることが懸念されております。  こうした状況において、新たな地域経済の担い手を創出するべく、起業・創業を促進することの意義は大きいものがあります。さらに、起業・創業は、産業の新陳代謝を促進し、経済を活性化する役割を持っております。  県では、中小企業融資制度において創業支援資金を設けているほか、平成二十五年度からは、創業や新分野への進出等に取り組む中小製造業者の経営計画の策定、研究開発、設備投資等を支援するための助成事業として、中小製造業者創業・新分野進出等支援事業を実施しております。  さらに、平成二十七年度からは、過疎地域等定住人口の少ない地域において、新たなビジネスや雇用を創出し、地域の活性化を促進するための助成事業として、地域活性化起業家支援事業を実施してきております。  なお、知事は、マニフェストの「若者と女性が輝く鹿児島、産業・雇用で日本一に!」の中で、「起業を年間百件目指し、若者や女性がいきいきと仕事ができる社会を目指す」と述べているところであります。  そこで伺います。  第一点、本県における起業数の推移と、起業を促進させるための課題についてお示しいただきたい。  第二点、地域活性化起業家支援事業等による起業・創業支援の取り組み実績と成果についてお示しいただきたい。  あわせて、知事マニフェストに掲げる起業年間百件等の実現に向けた県のこれまでの取り組みと、今後の県の具体的な取り組みについてお示しいただきたい。  これで、第二回目の質問といたします。 9 ◯県民生活局長(中山清美君)鶴丸城御楼門建設に係る施工業者選定の状況等についてでございます。  施工業者については、鶴丸城御楼門建設協議会において公募を行い、県内の三業者で構成するJVと、県外業者及び県内の二業者で構成するJVから提案があり、今月十一日に審査会を開催し、県内の三業者で構成するJVを優先交渉権者として選定したところであります。現在、契約締結に向けて協議・調整を行っており、できるだけ早く締結したいと考えております。  建設工事に当たっては、工程や事業費を適切に管理するほか、黎明館の来館者や観光客が工事の様子を見学できるよう工夫するとともに、広く情報発信を行い、鹿児島の新しいシンボルの完成に向けた機運の醸成を図る必要があると考えております。  今後とも、平成三十二年三月の完成を目標に官民一体となって取り組んでまいります。  御角櫓の建設に係る取り組み状況等についてでございます。  御角櫓については、基礎部分となる石垣の修復について、専門家による指導を得ながら、文化財の発掘調査等を行ってきたところであります。その結果、石垣の損傷が大きいことや、石垣の基底部から常時、地下水の湧出が見られることなどから、地下水の影響を見きわめた上で慎重に修復を進めるべきとの助言を受けたところであります。  このため、現在、範囲を広げて発掘調査を行うとともに、継続的な地下水の調査を実施しているところであり、今年度実施予定であった石垣の修復に着手できない状況となっております。これに伴い、御角櫓についてもおくれが生じる見込みであり、整備スケジュールについては、今後の石垣修復の状況を踏まえ、改めて検討する必要があると考えております。 10 ◯危機管理局長(田崎寛二君)鹿児島湾の地震の対応状況と県民の地震への備えについてであります。  七月十一日の地震については、県では、地震発生と同時に災害警戒本部を設置するとともに、速やかに地域振興局から鹿児島市や指宿市、南九州市など五市へ情報連絡員を派遣したほか、県消防・防災ヘリによる被害調査などを行ったところであります。  また、揺れの大きかった市町村においては、直ちに災害警戒本部等を設置し、被害状況等の情報収集に努めるとともに、県への被害報告等が行われたところであります。  県民の地震への備えについては、地震はいつ発生するかわからないことから、事前にできることは確実に行い、また、災害時に必要となる非常用品などの準備や点検を定期的に行うことが重要であります。具体的には、三日分程度の飲料水やインスタント食品などの非常備蓄品、懐中電灯などの非常持ち出し品を準備・点検すること、また、金具や支え棒による家具の転倒防止などが重要であり、県政かわら版やホームページにおいて広く県民に周知を図っているところであります。  石油コンビナート等特別防災区域の防災対策についてであります。  石油コンビナート等特別防災区域は、石油コンビナート等災害防止法に基づき、多量の石油などが集積し、特別の措置を講じることとされている区域であり、県内には串木野、喜入、志布志等の五地区が指定されております。区域内の事業所では、自衛防災組織を設置するとともに、化学消防車等の防災資機材を整備し、操作訓練などの防災訓練を実施しております。  また、県では、今年度も十月及び十一月に特別防災区域ごとに、地震等を想定し、消防や事業所と一体となった防災訓練を実施することとしており、喜入地区では初めて特殊災害対策用の新型車両を活用した訓練を予定しております。  今後とも、消防や事業所などと連携を図りながら、特別防災区域の防災対策に万全を期してまいります。  今後の大規模地震発生に備えた防災対策及び広域連携態勢についてであります。  県では、平成二十四年度から二十五年度に地震等災害被害予測調査を実施し、情報伝達や避難体制の整備など県地域防災計画の見直しを行い、地震・津波対策を進めております。また、市町村に対し、県が策定した指針に基づく津波避難計画の策定などの要請を行っているところであり、これまでに、海岸線を有する三十九市町村のうち三十四市町村で津波避難計画が策定され、残る五市町においても、今年度中の策定に向けて作業が進められております。このほか、全ての市町村で津波避難訓練が実施されるとともに、標高表示板の設置や標高マップの作成などの対策が進められております。  広域連携態勢については、九州・山口九県災害時応援協定を締結しているほか、岐阜県や静岡県などとは相互応援協定を締結しております。また、今年度、九州地方知事会政策連合において、熊本地震の検証・評価報告書に基づき、県域を超えた広域的な物的支援などを検討することとしており、県としては、今後とも各県と連携しながら、大規模災害時の広域連携態勢の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  避難指示等の発令を判断する市町村への情報提供及び避難行動要支援者の避難行動の支援に関する県の取り組みについてであります。  市町村への情報提供については、市町村長が適切なタイミングで避難勧告等を発令できるよう、気象台の気象警報等の発表と同時に情報提供しております。特に、土砂災害警戒情報は重要な判断材料であることから、直接電話でも連絡しております。  要配慮者のうち、みずから避難することが困難な避難行動要支援者については、災害対策基本法により市町村が名簿を作成するとともに、同意いただいた方には個別支援計画を作成することができることとされております。  県では、平成二十六年にモデルプランを作成し、市町村の取り組みを支援するとともに、市町村長防災研修会などさまざまな機会を捉えて、個別支援計画の作成や充実を要請しているところであります。  大規模災害を想定した情報伝達に係る訓練の実施状況と今後の対応についてであります。  県では毎年、地域住民や市町村、防災関係機関の参加による県総合防災訓練を行い、その中で情報伝達に関する訓練も実施しております。今年度、西之表市で行った訓練では、防災行政無線による避難指示等の周知や、臨時に設置されたFMラジオ放送局による避難の呼びかけなどの訓練を行ったところであります。  県としては、今後とも、県総合防災訓練等を通じて、市町村や防災関係機関と連携を図りながら、住民への情報伝達体制の充実に努めてまいります。  県総合防災システムの概要と導入効果についてであります。  県総合防災システムは、県と市町村等をインターネットで結び、避難情報や避難所の開設情報などを共有するとともに、広く報道機関等に防災情報を伝達できるシステムとして、ことし六月から運用を開始いたしました。これまで、市町村がファクス等で県への報告や報道機関への避難情報の提供を行っておりましたが、このシステムにより、県の防災ウェブに情報が掲載されるとともに、報道機関等にも同時に伝達され、住民への情報伝達がより迅速に行われることとなりました。  災害から身を守るためには、情報収集と早目の避難が重要であることから、県としては、今後とも市町村等と連携を図りながら、より迅速・的確な情報の収集・伝達を行い、県民の安心・安全の確保に努めてまいります。 11 ◯土木部長(渡邊 茂君)県においては、県管理四百五十九河川のうち、甲突川や永田川などの四十六河川に五十八基の水位計を設置しています。  今後の整備につきましては、県内九地区で設置しました水防災意識社会再構築協議会において市町村や関係機関と協議しており、今後、国の動向などを見ながら検討してまいりたいと思っております。 12 ◯国体・全国障害者スポーツ大会局長(中薗良郎君)国体の競技会場となる施設整備の進捗状況及び補助制度の活用についてであります。  国体の競技会場となる県有施設のうち、鴨池公園運動施設につきましては、平成二十四年度から、国の社会資本整備総合交付金を活用して改修を進めており、庭球場は今年度、陸上競技場は来年度、野球場は平成三十一年度までに整備を終える予定であります。また、今年度からライフル射撃場の改修にも取り組んでおります。  市町村等の施設につきましては、平成二十六年度から、国の社会資本整備総合交付金や県の市町村有施設整備費補助金などを活用して、十七市町の三十三施設で改修が進められており、このうち四市町の六施設は今年度までに整備が終わる予定であります。  今後とも、平成三十一年度から実施されるリハーサル大会を含めて、国体の開催に支障が生じないよう整備を進めてまいります。  続きまして、競技役員の養成や競技用具の整備に係る取り組み状況についてであります。  審判員などの競技役員の養成につきましては、国体は平成二十五年度から、全国障害者スポーツ大会は今年度から、各競技団体に対し、中央競技団体が開催する講習会への派遣や県内での講習会の開催などの経費を補助しているところであります。今年度は、国体で三十八団体、延べ千六百七十九人を、全国障害者スポーツ大会で十団体、延べ四百七十四人を対象に派遣や講習などを行っております。  また、競技用具の整備につきましては、国体では原則、現有用具を活用することとしており、現在、必要数や現有数をもとに、不足する用具の借用や購入について、会場地市町村や競技団体と検討を行っているところであります。全国障害者スポーツ大会では、現有用具の活用や先催県からの引き継ぎ、国体用具の活用などにより整備することとし、来年度、用具の必要数や現有数の調査を行うこととしております。  県民への周知や開催機運の醸成につきましては、これまで、愛称やスローガンなどを活用しながら、ホームページの開設や広報紙の発行、花いっぱい運動などの県民運動などに取り組んでおります。  七月には両大会の会期なども決定したことから、新たなポスターやのぼりを制作するとともに、九月九日には開催決定記念イベントを開催し、イメージソングや応援ダンスの披露、実施競技の体験イベントなどを行ったところであります。また、県内の大学生などを広報ボランティアとして募集・登録し、イベントなどでPR活動に協力してもらうこととしております。  今後とも、県民総参加で、県民の心に残る大会となるよう、両大会の周知や開催機運の醸成に取り組んでまいります。 13 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)製造業の振興についてのお尋ねでございます。  現行のかごしま製造業振興方針におきましては、本県の製造業の振興を図りますために、付加価値の創出・向上や企業立地の促進など四つの目標に重点を置いた施策を展開し、平成三十二年度までの五年間での製造品出荷額二兆六百億円、立地協定件数百七十件などの目標値を達成することといたしております。  そのため、具体的には、本県製造業企業に対し、産学官連携、企業間連携による技術・製品の研究・開発促進、事業化支援や、国内外での販路開拓・拡大の支援、創業・新分野への進出支援、県内企業等の設備投資への支援、新卒者、UIターン希望者などの人材確保支援などの施策を実施しているところでございます。  今後とも、産学官の関係団体・機関と一体となってこれらの施策を着実に実施し、県内製造業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、研究機関等の誘致についてでございます。  研究機関等は、景気に左右されず、長期的な事業活動が見込まれ、また関連企業の立地も期待できることから、重点的にその誘致に取り組むこととしており、昨年度は、研究機関等を有する企業の設備投資動向について情報収集を行ったところでございます。また、今年度は、研究機関等が行う設備投資を促すために、企業立地促進補助金における補助率を引き上げるとともに、企業が研究機関等を設置する場合のさまざまな条件等について、直接企業を訪問して情報収集を行っているところでございます。  今後は、情報収集の結果も踏まえながら、具体的な誘致につながるよう、積極的な誘致活動に努めてまいりたいと考えております。  次に、起業についてのお尋ねでございます。  国の中小企業白書によりますと、創業期の課題として、資金調達や、事業や経営に必要な知識・ノウハウの習得、質の高い人材の確保、販路開拓・マーケティングなどが挙げられているところでございます。  県ではこれまで、起業予定者等を対象とした融資制度、及び製造業を創業する者や過疎地域等においてサービス業等を起業する者等に対する補助制度を創設するなど、起業促進に努めてきたところでございます。これにより、昨年度は、融資制度により五十四件、補助制度により四十件、重複を除いた合計で九十三件の支援を行っており、このうち補助制度による新たな雇用者数は九十二人が見込まれているところでございます。  さらに、今年度は、従来の支援策に加え、新たに、全県下を対象に、若者・女性等を優先的に採択する補助制度として起業家スタートアップ支援事業を創設し、年度途中ではございますが、これまでに六十七件の支援を決定しており、融資制度による十八件と合わせ、八十五件の支援を決定しているところでございます。  また、起業を成功させ、安定的な経営につなげるためには一貫した支援が不可欠であることから、商工団体や金融機関などが連携しながら、創業等を総合的に支援するかごしま中小企業支援ネットワークを本年五月に設立したところでございます。  県といたしましては、これらの取り組みにより、起業を通じた新たな雇用の創出や若者・女性の活躍の場の拡大等に努めてまいりたいと考えております。    [寺田洋一君登壇] 14 ◯寺田洋一君 答弁を受けました。  鶴丸城御楼門の建設についてでありますが、県が平成二十七年度に鶴丸城御楼門建設協議会への負担金に充てた国の地方創生先行型交付金について、ことし一月に実施された会計検査院による実地検査の結果、平成二十七年度の協議会事業で未執行となった額は返還するよう指摘されたことから、今議会に必要な補正予算案が提案されているところであります。県においては、再発防止に努めるとともに、返還により御楼門建設自体に影響が生じないよう強く要望するものであります。  大規模地震発生に備えた防災対策についてでありますが、先般、国の中央防災会議の有識者会議は、「確度の高い予測は困難」として、地震予知を前提とした防災対応を見直す一方で、地殻変動や前震などの異常現象を観測した場合に事前避難を促す仕組みづくりを求める報告書をまとめました。要は、地震予知は困難であり、日ごろから可能な防災対策を促すものであります。  局地的な集中豪雨災害に関しても、同様にいずこでも起こり得るとの認識のもと、県、市町村、住民が連携した日ごろからの防災体制の強化に向けた取り組みに努めていただくよう要望いたしておきます。  国体・全国障害者スポーツ大会についてであります。  施設整備や運営要員の育成等の開催準備を着実に進めるとともに、開催に向けた機運の醸成に努めていただくようお願い申し上げます。なお、肝心とも言える競技力強化対策については、ことしの愛媛国体の結果等を踏まえて、次回定例会で改めて伺いたいと考えております。  製造業の振興及び起業・創業支援についてでありますが、昨年設立された県地域産業高度化産学官連携協議会は、地域産業の課題と大学や企業の技術・研究をマッチングさせ、技術開発や産業強化を促すプロジェクトであり、大いに期待しております。産業振興のための各種施策の推進とあわせて、起業・創業の支援にさらなる積極的な取り組みを要望いたしておきます。  次に、若年者の県内就職促進等に向けた取り組みについて伺います。  有効求人倍率がバブル経済時の最高値を上回るなど、全国で雇用情勢は好転しております。本県においても、有効求人倍率が統計開始の一九六三年以降の過去最高値を記録するなど、雇用情勢は高水準で推移しております。一方で、企業側の人手が不足し、学生が有利となる売り手市場は、人口減少や少子高齢化を背景に全国で深刻な働き手不足を生じさせております。  また、本県においては、今春、県内高校を卒業した就職内定者のうち四七・二%が、県内の四年制大学を卒業した学生の就職内定者のうち四九・四%が県外企業を選んでいる現状もあり、地元企業への就職をふやし、県外への人口流出に歯どめをかけることも大きな課題になっているところであります。  県では今までも、経済団体や県内企業に対し、新規学卒者等の求人確保と求人票の早期提出等の要請を行う雇用確保ローラー作戦や、県内企業見学会・県内企業説明会等を実施しているほか、若者就職サポートセンターにおいて若年者等に対し、きめ細かな就職支援を実施しているところであります。  また、今年度に入り、県では、県内の高校や特別支援学校などのブースを地元企業の担当者が回る県内企業の魅力説明会や、学生・生徒の保護者が企業のブースを回る県内企業説明会を初めて開催するなど、若年労働者の県内就職を促進するための新しい取り組みを始めているところであります。  また、県外の大学の卒業者や県外で就職している若年者の県内企業への就職を促進することも重要な課題であります。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、これまでの新規学卒者の県外就職の推移及び新規学卒者や若年者の県内就職を促進する上での課題についてお示しいただきたい。  第二点、新規学卒者や若年者の県内就職促進に向けた取り組みについてお示しいただきたい。  第三点、都市圏など県外から鹿児島へのUIターン就職を促進するための取り組みについてお示しいただきたい。  次に、人工種苗供給の取り組みについて伺います。  本県の魚類養殖業については、昭和五十三年四月に県魚類養殖指導指針を策定し、振興に努められてきた結果、ブリ類では全国第一位、魚類養殖業全体でも全国第三位の生産額を誇るとともに、県内における海面養殖業は、海面漁業・養殖業生産額の約七〇%を占めるまでに発展したところであります。  しかし、養殖経営をめぐる環境は、魚価の低迷、餌飼料価格の高騰、燃油価格の高どまり等により厳しい状況にあります。また、人口減少や魚離れ等により国内における水産物消費は減少傾向にあることから、市場規模が大きく、消費拡大が続いている海外への輸出の促進が重要であります。
     このような背景を受け、県では、ブリ人工種苗生産に取り組むため平成二十八年度から種苗生産施設の整備を進めるとともに、関係研究機関等と連携し、種苗生産技術の移転に取り組んでいるところであります。ブリ人工種苗の導入は、食の安心・安全はもとより、持続可能な養殖業の実現や輸出拡大による養殖経営の安定化対策のため非常に重要であると考えるところであります。  一方、県では、平成二十三年度からカンパチの人工種苗の生産・供給に取り組みましたが、本県産カンパチ人工種苗にはいまだ養殖用種苗としての課題が多く、現状ではその優位性も養殖業者に十分浸透していないことから、養殖業者が求める安心・安全で良質のカンパチ人工種苗が安価で安定的に供給できる体制が確立するまで、県による人工種苗の技術的問題解決のための試験研究や実証化に向けた十分な予算を確保してもらいたいとの声が、養殖業者側から上がっているところであります。  そこで伺います。  第一点、本県におけるカンパチの種苗生産の現状と課題、今後の対応についてお示しいただきたい。  第二点、ブリ人工種苗導入事業の概要と今後の方向性についてお示しいただきたい。  次に、農政関係について伺います。  耕地災害に係る防災・減災対策について伺います。  近年、東日本大震災や熊本地震、本年七月に九州北部で発生した豪雨災害など、全国各地で大規模自然災害が発生しております。  本県においても、これまで集中豪雨や台風の来襲等により甚大な被害が発生してきました。特に、昨年九月に来襲した台風十六号は、大隅地方を中心に甚大な被害をもたらし、農業用施設の損壊など農業被害は約七十七億円にも及び、中でも耕地関係の被害は約五十一億円にも上ったところであります。また、ことしも八月上旬に台風五号が来襲し、九月四日には喜界島を中心とする豪雨災害が発生し、耕地関係については奄美地方を中心に被害が発生しております。  本県はシラスを初めとする特殊土壌に広く覆われており、災害を受けやすい条件下にあるため、農業生産の維持や農業経営の安定を確保する観点からも、農業災害の発生を未然に防止するための対策を着実に推進することが重要であります。  このような中、国においては、去る三月三十一日、特殊土壌地帯の災害防除と農地改良を進めるための特土法の有効期限を五年間延長する改正法が成立したところであります。  今後も、集中豪雨等により農地や人家等に大きな被害を及ぼすおそれのある地域において、排水路の整備など防災対策の推進が必要であります。またあわせて、地震や集中豪雨が発生した場合に人家等に甚大な被害を及ぼすおそれのあるため池等については、万一の事態に備えてハザードマップを作成し、地域住民へ周知するなどの減災対策の促進が必要であります。  そこでお伺いいたします。  第一点、今般の台風五号及び喜界島を中心とする豪雨災害による耕地関係の被害状況と復旧の見通しについてお示しいただきたい。  第二点、本県の地理的・自然的条件による耕地災害の特性を踏まえた防災・減災対策の現状と課題、今後の取り組みについてお示しいただきたい。  第三点、農業用ダムやため池のハザードマップ作成状況及び県民への周知に向けた取り組みについてお示しいただきたい。  次に、農業の収入保険制度について伺います。  七月に日EU・EPAが大枠合意したところですが、アメリカとの経済対話の動向など、農業をめぐる国際情勢は不透明な状況であり、農家は不安を抱いている状況にあります。また、本県は自然災害が多く、農家が安心して再生産に取り組むためには、農家の経営安定対策は極めて重要であります。  昭和二十二年に創設された農業共済制度は、農業者が自然災害等によって受ける損失を補填する公的保険制度として、農家の経営安定に重要な役割を担っています。一方、価格低下による収入減少は対象外であることや、対象品目が限定的で農業経営全体をカバーしていないことなどの課題もあります。  こうした課題に対応するため、さきの国会において、農業収入の減少に伴う農業経営への影響を緩和する収入保険制度の創設を盛り込んだ改正農業災害補償法が成立いたしました。しかしながら、新制度においては、青色申告を行うことが加入要件になっていることや、従来の農業共済制度が任意加入の制度として併存されることにより、農業者が選択するに当たって混乱するのではないかとの声も聞かれるところであります。  そこでお伺いいたします。  第一点、収入保険制度の概要と、同制度が本県の農家の経営安定にとってどのようなメリットがあるのか、お示しいただきたい。  第二点、収入保険制度の円滑な推進を図るための課題と、県としての取り組みについてお示しいただきたい。  次に、米の生産調整の見直しによる本県稲作農家への影響等について伺います。  本県の稲作の作付面積は、稲作農家の減少や高齢化、米の生産調整の実施等により、平成七年産以降、減少が続いており、平成二十七年度の農業産出額は百九十一億円で、本県の農業産出額全体の四・三%となっております。  このような米を取り巻く厳しい環境の中にあっても、日本穀物検定協会が実施した平成二十八年産米の食味ランキングにおいて、県北地区のあきほなみが四年連続で最高評価の特Aにランクされるなどの明るい話題もあるところであります。  こうした中、平成三十年産以降は、昭和四十五年から半世紀近く続いてきた、国による米の生産数量目標等の配分が廃止されます。行政による生産数量目標の配分がなくなることにより、生産者がみずからの経営判断や販売戦略に基づき、需要に応じた米の生産を行っていく必要があります。  全国的には、四十道県の農業再生協議会が、国が従来示してきた生産数量目標にかわる目安を設定する方針であると報道されています。これまでの、農家ごとに生産数量目標が配分され、目標を守った農家に交付される米の直接支払交付金が廃止されることに伴い、農家が生産量を抑える動機が薄くなると考えられ、実効性の確保が懸念されます。  今回の米の生産調整の見直し等により、人気の高いブランド米の産地等にとっては生産拡大を目指す動きも考えられる一方、稲作農家の間では、これまで得られていた米の直接支払交付金が廃止されることや、ブランド米等の生産過剰により米の価格が下落するのではないかとの不安の声も上がっているところであります。  そこでお伺いいたします。  第一点、生産調整の見直しや米の直接支払交付金の廃止による本県稲作農家への影響等について、県としてはどのように考えているのかお示しいただきたい。  第二点、今回の生産調整の見直し等を受けて、本県の地域特性を生かした今後の水田の活用について、国の政策も踏まえ、県としてどのように取り組んでいくのかお示しいただきたい。  次に、日EU・EPAが本県農林水産業に及ぼす影響について伺います。  七月六日に行われた日本とEUとの首脳協議において、日EU・EPA交渉の大枠合意が確認されました。政府は、協定の早期署名・発効に向けて、詰めの協議を進めていくこととしているところであります。  今回の合意により、豚肉については、高級部位の関税四・三%が段階的に引き下げられ十年目に撤廃、安い部位も現在の一キロ当たり最大四百八十二円の関税が段階的に引き下げられ、十年目には五十円に下がることになりました。また、林業では、板材を継ぎ合わせた構造用集成材の関税三・九%が八年目に撤廃されることになり、本県で生産される製材品は、生産性が高い欧州産との競争にさらされることになります。  新聞報道等によると、県内の養豚農家からは、おいしい豚肉を生産したとしても、消費者は欧州産の安い豚肉に流れるのではないかとの戸惑いや不安の声が上がっているところであります。  酪農業においても、チーズやバター向けの加工原料乳の大産地である北海道の牛乳が、鹿児島の飲用乳に食い込んでくる可能性が考えられます。  また、林業事業者は、関税がなくなれば、収益率が低い地方の林業はもたないのではないかと不安を募らせており、EPAの本県農林水産業に対する影響が懸念されているところであります。  こうした中、政府は、日EU・EPAの大枠合意を踏まえ、一昨年十一月に決定された総合的なTPP関連政策大綱を改訂する形で、今年秋を目途に、国内対策として必要な施策を整理することとしているところであります。  そこでお伺いいたします。  日EU・EPAの本県農林水産業に及ぼす影響及び本県の対応についてお示しいただきたい。  以上で、第三回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 15 ◯知事(三反園 訓君)日EU・EPAが本県農林水産業に及ぼす影響についてでございます。  日本とEUとのEPAにつきましては、本県の基幹産業である農林水産業に多大な影響を及ぼすことが懸念されますことから、農林水産物の重要品目の再生産が引き続き可能となるよう、必要な国境措置を確保することなどを県開発促進協議会などあらゆる機会を捉えて国に要請してきたところであります。  しかしながら、七月六日に大枠合意に至った内容を見ますと、本県の主要な産品であります豚肉や木材製品の関税を大幅に削減し、また、チーズなどの乳製品につきましても、新たな低関税輸入枠を創設するといったものとなっております。本県農林水産業への影響が危惧され、農林漁業者の間では不安と懸念が高まっているところであります。  このため、七月十九日から二十日にかけて、政府のTPP等総合対策本部の副本部長であります経済財政・再生担当大臣、農林水産省の大臣政務官に対しまして、TPP対策として法制化された豚マルキンなどの経営安定対策については前倒しで実施するなど万全の国内対策を行うこと、輸出拡大に向けた検疫条件等の協議を加速化し、輸出環境を整備することなど、守りと攻め両面の対策について緊急要請したところであります。  また、八月二十三日には、齋藤農林水産大臣にも直接お会いし、本県が農林水産物の輸出拡大に積極的に取り組んでいることなどを説明した上で、今回の大枠合意を契機として、攻めの農業をさらに推進していくため、本県が誇る黒豚肉の輸出実現などに向けた環境整備を強く要請したところであります。  国は、TPP等総合対策本部において、日EU・EPAの大枠合意の内容を踏まえた体質強化対策等について、政府全体で責任を持って対応することを決定しております。  県といたしましては、先般の第十一回全国和牛能力共進会で日本一に輝いた鹿児島黒牛のさらなる輸出拡大を図りながら、関係団体等とも連携し、国に対して引き続き、経営安定対策の拡充、黒豚肉の輸出の実現などに向けて必要な働きかけを行ってまいりたいと考えております。 16 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)新規学卒者・若年者の県内就職促進に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。  新規学卒者の県外就職状況につきましては、過去十年間を見ますと、高校では、平成二十二年度まで県外就職率が五割を超えていたものの、それ以降は五割を切っており、また大学では、県外就職率が五割を超える年度が多いものの、最近では県外と県内の就職率がほぼ五割前後で推移しております。  さらに、男女別で見ますと、女子は、高校ではおおむね六割程度、大学でも五割以上が県内に就職している一方、男子は、高校、大学ともに県外に就職する割合が高くなっております。  昨年度、県が行いましたアンケート調査結果によりますと、多くの高校生や若年者が県内企業のことをほとんど知らない、また、特に若年者は長期間安定して働けることや職場の雰囲気がよいこと、やりがいなどを重視していることから、県内企業に対する理解を深める取り組みや雇用環境の改善などが課題となっているものと考えております。  このため、県では、まずは県内企業の魅力についてなお一層理解を深めていただくため、インターンシップなどのキャリア教育の推進や、関係機関と連携した新規学卒者や若年者向けの合同企業説明会等を開催しているところでございます。また、本年度は新たに、高校等に対する県内企業の魅力説明会や保護者向けの説明会を開催しているほか、県内外に進学した大学生等に対し、県内企業の情報を提供するウェブサイトの運用を開始したところでございます。  さらに、長時間労働の是正等に向けたIoT導入による生産性向上のためのセミナー等の開催や、鹿児島労働局と連携を図りながら、働きやすい、働きがいのある職場づくり等に向け、各種助成金制度や事例等の紹介に取り組んでいるところでございます。  次に、UIターン就職促進についてでございます。  県では、平成十八年度以降、本庁及び県外事務所にふるさと人材相談室を設置し、職業相談や職業紹介等を実施しているほか、例年、夏の帰省時期でございます八月に、UIターンフェア“かごしま”を開催しているところでございます。  また、都市圏等から本県への即戦力確保を促進するため、かごしま産業支援センターに県プロフェッショナル人材戦略拠点を設置し、地域金融機関や民間人材紹介会社等と連携強化を図りながら、県内企業への人材情報提供等にも取り組んでいるところでございます。さらに、大都市圏にある大学と就職に関する支援協定を締結し、本県出身学生等のUIターン就職の促進を図っているところでございます。  県といたしましては、今後とも、県外からのUIターン就職を促進する取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、カンパチの種苗生産についてでございます。  本県のカンパチ養殖におきましては、種苗のほとんどを中国産天然種苗に頼っておりますが、近年、種苗価格の上昇傾向や安定供給への不安などから、国産人工種苗の重要性が高まっております。そのため、県では、カンパチの人工種苗をこれまでに百六十四万尾余り供給してきており、今般、その供給先の養殖業者が県内の外食産業事業者と共同して、完全養殖のカンパチとして売り出すなどの事例も出てきておりますが、天然種苗と比較して病気に弱く、生残率が低いなどの課題が残されております。  そのため、県におきましては引き続き、優良な人工種苗を親魚に育てる選抜育種に取り組むとともに、高度な技術を有する国立研究開発法人水産研究・教育機構の協力を得ながら、養殖に適した系統づくりをさらに進め、病気に強く成長が速いといった特徴を持つ人工種苗の生産確立に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ブリ人工種苗導入事業についてでございます。  本県のブリ養殖業の振興を図るため、現在、県では、年内完成を目指して、ブリの人工種苗生産施設の整備を進めているところでございます。また、ブリの人工種苗の生産技術を既に確立している水産研究・教育機構において、昨年度から県水産技術開発センターの研究員が技術研修を受けるとともに、当該機構の受精卵を用い、県水産技術開発センターで人工種苗生産試験を行っているところでございます。  ブリの人工種苗による養殖は、生産履歴が明らかな上、天然資源に影響を与えないことなどから、輸出に有利な魚として期待されており、県といたしましては、ブリの人工種苗の普及・定着に向けて、引き続き、関係機関・団体等と一体となった取り組みをさらに推進してまいりたいと考えております。 17 ◯農政部長(川野敏彦君)農政関係のお尋ねのうち、まず、台風五号等による耕地関係の被害状況と復旧の見通しについてでございます。  台風五号による耕地関係の被害は二百四十五カ所の七億二千九百万円で、このうち奄美地方の被害が二百二十七カ所の六億四千万円を占めております。また、九月四日の喜界町における豪雨被害は、二百カ所の五億四千九百万円となっております。  これらの箇所については、現在、測量設計に着手しており、緊急性の高い箇所については、国の災害査定前着工の制度により、近く応急工事に着工することとしております。本格的な復旧については、国の災害査定を受けて早期に着工し、年度内の完成に努めてまいります。  防災・減災対策の現状と課題、今後の取り組みについてでございます。  本県は、シラスなどの特殊土壌を有していることに加え、台風や集中豪雨等も多く、自然災害が発生しやすい状況にございます。これまで、農地の侵食・崩壊等を未然に防止するため、排水施設整備などの防災対策に努めてきたところですが、今後、気候変動の影響により、集中豪雨等による土砂災害などが局地化・激甚化するおそれがあるとされております。  県としては、高まる自然災害等のリスクにも備える観点から、施設の老朽化対策に加え、排水機能の向上や耐震化等のハード対策を進めるとともに、ハザードマップなどソフト対策も組み合わせ、農村地域の防災・減災対策の強化に努めてまいります。  ハザードマップの作成状況と住民への周知についてでございます。  県が管理する農業用ダムについては、二十二カ所のうち、下流域に人家等のない一カ所を除く二十一カ所で、昨年度までに全て作成済みとなっております。また、ため池については、市町村が作成しておりますが、決壊時に甚大な影響を及ぼすおそれのある防災重点ため池十七カ所のうち十六カ所で作成済みとなっており、残る一カ所も今年度中に作成することとなっております。作成したハザードマップについては、説明会の開催や各戸への配布などを行い、地域住民への周知に努めているところです。  県としては、今後とも市町村と連携を図りながら、住民の防災意識の向上に努めてまいります。  次に、収入保険制度の概要と農家へのメリットについてでございます。  収入保険制度は、対象作物を限定せず、農業経営全体の収入減少を補填する仕組みとなっており、来年十月から加入申請が始まることとなっております。青色申告者を対象とし、補填金は、当年の収入が補償限度額を下回った場合に、下回った額の九割を上限としております。  同制度は、茶や露地野菜など従来の農業共済制度では対象とされていなかった作物のセーフティーネットとなり、本県農業者の経営安定に資するものと考えております。また、収益性の高い新規作物の生産など、農業経営者の積極的なチャレンジを後押しする効果もあるものと期待しております。  収入保険制度の推進上の課題と県の取り組みについてでございます。  収入保険制度は、青色申告を行う農業者を対象としていることから、加入を促進するため、県では、農業共済団体はもとより農協や農業委員会等とも連携しながら、青色申告の推進を図ってきたところです。また、同制度は、収入減少を補填する機能を有する類似の制度との選択加入となっておりますことから、現場の農業者からは、収入保険制度と類似制度の掛金や補填金などが比較できるようにしてほしいという声が上がっております。  このため、現在、国において、簡単にこれらの比較ができるようなシステムの整備が進められており、県としては、今後、同システムの周知と普及を図り、農業者の方々に最も適切なセーフティーネットを選択いただけるよう努めてまいります。  次に、米の生産調整等の見直しによる本県稲作農家への影響などについてでございます。  国が平成二十五年に取りまとめた米政策や経営所得安定対策の見直しに伴いまして、平成三十年産からは、行政による生産数量目標の配分と米の直接支払交付金が廃止されることとなっております。  国は、生産数量目標の配分の廃止後も引き続き、全国の需給見通し等の情報提供を継続し、米の需給の安定等に関与するとしておりますことから、県としても、各地域に対して、生産数量目標にかわる生産の目安を情報提供することとしております。また、米の直接支払交付金の廃止については、これまで稲作農家等に対して、平成二十九年産までの時限措置であることの周知に努めてきたところです。  農家の方々には、これらの情報をもとに、みずからの経営戦略に基づき、水田活用の直接支払交付金などを有効に活用しながら、今後の経営安定対策に取り組んでいただきたいと考えております。  県としては、今後とも、水田活用の直接支払交付金を活用した加工用米等の生産拡大や産地交付金を活用した野菜などの産地づくりを推進するとともに、あきほなみなどの売れる米づくりを進め、稲作農家の経営安定と生産性の高い水田農業の確立に取り組んでまいります。    [寺田洋一君登壇] 18 ◯寺田洋一君 若年者の就職関係、それから人工種苗の関係、耕地災害の関係、そしてまた農業の収入保険制度、米の生産調整の関係、そしてまた日EU・EPAの本県農林水産業への影響など、各部署部署で真剣にこれからも県民のために対応いただきますよう要望しておきます。  以上、県政の課題について質問してまいりました。  午後は、堀口文治議員がバス三台の支援者を背景にして、またこれから質疑を展開されるようであります。  さて、我が郷土の先輩西郷南洲翁は、「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は仕末に困るもの也。此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬ也」と言っておられます。この言葉をおさめた額を、六十ないし六十二代県議会議長を務められた溝口宏二元議長が寄贈され、先日お亡くなりになられましたが、我が県議会に遺産として、今、柴立議長の執務室にその額が掲げられております。一言一言がまさに我々議会に身を置く者、そしてまた行政に身を置く者に大きな示唆を与えていると思っております。  本日は、溝口議長のいとこに当たられる方も傍聴に来ておられますが、どうぞひとつ、まさに肝に銘じて、これからも県民のためにしっかりとした働きをしていかなければならないことをここにお誓い申し上げて、私の自民党県議団を代表しての午前の部を閉じさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 19 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後零時 一分休憩       ───────────        午後一時十五分再開 20 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  堀口文治君に発言を許可いたします。
       [堀口文治君登壇](拍手) 21 ◯堀口文治君 柴立議長の許可を得ました自由民主党県議団出水市区の堀口文治でございます。  午前中の寺田議員に引き続きまして、自民党県議団の代表質問を続けてまいります。  初めに、企画関係について伺います。  国際線の維持・拡充についてであります。  平成二十八年の鹿児島空港における国際線利用者数は、LCCの香港エクスプレスの就航などにより、十九万人超と過去最高を記録したところであります。  現在、本県は、ソウル、上海、台北、香港と国際定期航空路線により直接結ばれており、こうした交通ネットワークは、環黄海経済圏を初め、アジア地域からの観光客誘致による交流人口の増大や、農林水産物の輸出拡大等を下支えする基盤となることから、国際定期航空路線の維持・拡充はますますその重要度を増しております。  国においては、明日の日本を支える観光ビジョンが定める訪日外国人旅行者数二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人の目標達成のためには、地方空港のゲートウェイ機能強化とLCC就航促進に向けた取り組みが必要であるとしております。このことから、国は、鹿児島空港を含む全国の二十七空港を訪日誘客支援空港として認定し、各地域における国際線就航を通じた訪日客誘致の取り組みの拡大に向け、必要な支援を開始することとしております。  一方、空港民間委託について、国は、民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する基本方針に基づき、空港ごとに実施方針を定め、運営形態や経営手法等に係る提案を募集することとしております。昨年七月、国管理の空港として、初めて仙台空港の民間委託が開始され、福岡空港、熊本空港などでも民間委託の手続が進められており、空港民間委託の動きが全国的に広がってきております。  そこで伺います。  第一点は、鹿児島空港の国際線の維持・拡充に向けた課題及び取り組みについてお示しください。  第二点は、訪日誘客支援空港はどのようなものかお示しください。  また、同空港に認定されることにより、どのようなことが期待されるかお示しください。  第三点は、全国的な状況を踏まえて、今後の鹿児島空港の民間委託についての県の考えをお示しください。  次に、肥薩おれんじ鉄道の経営安定対策等について伺います。  肥薩おれんじ鉄道は、沿線の人口減少等により開業二年目以降は減価償却前赤字を計上するなど、極めて厳しい経営状況に置かれており、県では平成二十年度から、経営安定基金を活用した公的支援を実施しております。  さらに、同鉄道の施設・設備は、JR九州から譲渡を受けたもので、経年による劣化や消耗、塩害等による損傷が相当進んでおり、これらの施設等の維持・更新を計画的に実施していく必要があることから、平成二十六年度に、同鉄道の経営支援として、県市町村振興協会の基金の活用など、県・沿線自治体のみならず、県全体で支援する新たな方策が構築されたところであります。  同鉄道においては、平成二十五年二月に、平成二十四年度から二十八年度までの五カ年の経営方針や経営安定策に関する肥薩おれんじ鉄道中期経営計画を策定し、沿線自治体と連携を図るとともに、おれんじ食堂等の運行や利便性向上により利用者の増加を図るなど、さまざまな取り組みが実施されたところであります。  先般、平成二十九年度から三十三年度までの五カ年の中期経営計画が策定されたところでありますが、同鉄道は、沿線住民の通勤・通学など日常生活を支える公共輸送機関であることや、本県の基幹物流ルートとして重要であることから、沿線自治体や鉄道事業者と連携して、同鉄道の将来にわたる経営安定化に向けた取り組みが必要であります。  一方、国鉄の分割民営化によりJR各社が発足して三十年を迎え、JR九州は昨年十月に株式上場し、完全民営化されたところであります。同社は、乗客数の減少傾向が続く在来線で路線維持のための経費削減に取り組む意向を示しており、駅の無人化等が実施されております。  在来線は、地域住民の日常生活に欠かすことのできない交通手段であることから、路線の維持について一層の配慮が必要であります。  そこで伺います。  第一点は、肥薩おれんじ鉄道の平成二十八年度の決算の概要と、今年度からの中期経営計画における収支の改善に向けた取り組みについてお示しください。  第二点は、同路線の経営安定化に向けた県の支援の現状並びに中長期的視点に立った経営安定化に向けた今後の取り組みについてお示しください。  第三点は、JR九州の完全民営化による今後の在来線の維持・存続についての県の考えをお示しください。  次に、PR・観光戦略関係について伺います。  本県の新しいPR基本戦略及びキャッチコピーについては、さきの定例会において、「鹿児島の農畜水産物のブランド力強化や観光のPRに資するとともに、今の時代に合った、より具体的で効果のあるものに変える必要があり、今年中には策定したい」と答弁されたところであります。  また、策定に当たっては、観光、流通、経済の各分野の専門家のほか、ICTの専門家やメディア分野の委員も加えた外部有識者による検討会議を設置し、七月に第一回、八月に第二回の検討会議が開催されたところであり、今後、骨子案、素案を作成し、年内には新しいPR基本戦略及びキャッチコピーが決定されることとなっております。  来年の明治維新百五十周年や「西郷どん」の放送、奄美の世界自然遺産登録などの好機を生かし、国内外に本県の多様な魅力を効果的にアピールすることが期待されております。  なお、明治維新百五十周年に向けた取り組みについては、四月に明治維新百五十周年記念プロジェクト実行委員会を設置し、かごしま明治維新博として県内各地で年間を通じてイベント等を展開することとしております。ことしは、明治維新体感フェス!二〇一七や、カウントダウンイベント等が予定されており、来年に向けた機運の醸成を図ることとしております。  そこで伺います。  第一点は、かごしまPR基本戦略及びキャッチコピーの見直しに係る外部有識者による検討会議における論議内容と、それを踏まえた骨子案の基本的な考え方についてお示しください。  第二点は、ことし実施される明治維新体感フェス!二〇一七などのイベントの具体的な内容及び来年の主な取り組みについてお示しください。  次に、スポーツ合宿誘致等について伺います。  県では、鹿児島県観光振興基本方針に基づき、観光立県かごしまの実現に向けて、国内外からの誘客促進を図る施策としてスポーツキャンプ等の誘致を掲げており、スポーツキャンプ・スポーツ大会の誘致から歓迎まで官民一体となった取り組みを推進し、オリンピック開催等も見据え、海外の団体も含めたスポーツ合宿受け入れ体制の整備、プロスポーツ等の振興などを展開することとしております。  また、三年後に迫った二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、全国各地で選手団の誘致が活発化しているところであり、新聞報道等によりますと、九州では、福岡、佐賀、熊本、宮崎各県で四カ国の事前キャンプの実施が決定いたしております。  スポーツ観光は、交流人口の拡大が図られるとともに、地域の魅力を高め、本県の観光振興に寄与するものであり、市町村や関係団体等と一層の連携を図りながら、スポーツイベントやスポーツ合宿等の誘致活動に積極的に取り組む必要があります。  一方、県で進めている大崎町の県立有明高校跡地に整備中の大隅陸上競技トレーニング拠点施設─仮称─については、平成三十年度に供用開始予定であり、大隅地域を初めとする本県における陸上競技のトレーニングに特化したスポーツ合宿の拠点として、交流人口の増加に伴う地域活性化などが図られることが期待されているところであります。  そこで伺います。  第一点は、県内のスポーツキャンプ・合宿の地域ごとの受け入れ状況と、今後の課題及び取り組みについてお示しください。  第二点は、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿の誘致に向けて本県はどのように取り組んでいるのか、お示しください。  第三点は、大隅陸上競技トレーニング拠点施設整備の進捗状況と完成後の運営体制や利用促進策についてお示しください。  次に、土木関係について伺います。  建設業の担い手確保・育成について伺います。  建設労働者の高齢化や若年入職者の減少等により、将来的な建設業の存続が懸念されており、また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて建設需要の高まりが見込まれることから、担い手不足への対応が喫緊の課題となっております。  このような中、インフラの品質確保とその担い手の確保を実現するため、公共工事の基本となる品確法を中心に、密接に関連する入契法、建設業法も一体として平成二十六年六月に改正されたところであります。  品確法の改正では、ダンピング受注の防止や下請契約を含む請負契約の適正化、公共工事に従事する者の賃金等の労働環境改善、中長期的な担い手の確保などが法の基本理念に追加されたところであり、発注者は、その基本理念にのっとり、平成二十七年一月に策定された発注関係事務の運用に関する指針に基づいて、入札・契約を行う必要があります。  県においては、運用指針の趣旨を踏まえ、予定価格の適正な設定やダンピング受注の防止、発注・施工時期の平準化などに取り組まれているところでありますが、本県の建設業は依然として担い手不足が見られることから、労働環境の改善など引き続き建設業の担い手確保・育成に努める必要があります。  その中で、国においては、長時間労働の是正は将来の担い手を確保する観点から重要な課題であることから、八月に、建設業の働き方改革を推進するため、建設業における週休二日を前提とした工期設定等を促すためのガイドラインを策定したところであり、地方自治体にもガイドライン等の遵守や週休二日などへの対応強化が求められているところであります。  また、国は、建設現場における生産性を向上させ、魅力ある建設現場を目指す新しい取り組みとして、建設分野のICT化を推進しており、無人航空機─ドローン─による三次元測量で得たデータの利用など、建設土木分野でのICT導入が注目されているところであります。  そこで伺います。  第一点は、建設業の担い手確保・育成を図るため、労働環境の改善など、県としての取り組みをお示しください。  第二点は、国の適正な工期設定等のためのガイドラインの策定を受け、週休二日への対応を含めた今後の県の取り組みの方向性をお示しください。  第三点は、国の建設現場におけるICT化推進の動きを受けて、県はどのように取り組んでいくのかお示しください。  次に、大型クルーズ船の受け入れについて伺います。  本年の県内へのクルーズ船の寄港回数は百六十回を超え、過去最高を更新する見込みであり、このうち鹿児島港については百十八回となる見通しであります。  七月にはマリンポートかごしまに、これまでで最大となる十四万トン級のマジェスティック・プリンセスが寄港したところであり、また、七月の知事定例記者会見において、クルーズ船のさらなる大型化に対応するため技術的な検討を行った結果、岸壁の改良工事を行い、来年度の初めには十六万トン級のクルーズ船が寄港できる見通しとなったことが発表されました。  九州では、博多港、八代港、油津港において、世界最大級の二十二万トン級のクルーズ船受け入れのために岸壁の整備を進めているところであります。また、八代港、佐世保港においては、国が進めている官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾に選定されたところであります。今後、九州へのクルーズ船寄港がますます増加することが見込まれることから、鹿児島港においても、さらなるクルーズ船の大型化への対応が期待されるところであります。  マリンポートかごしまにおいては、CIQ機能や物販・交流スペースを有するクルーズターミナルの整備が進められており、来年三月の完成により、入国等の手続の迅速化が図られ、観光地等により長く滞在してもらえることで、クルーズ船の誘致に弾みがつくことが期待されているところであります。  一方、本年第一回定例会において、知事は、本港区に寄港できるクルーズ船の規模についても、「船の長さや喫水など個別に検討する必要があるが、おおむね五万トン級のクルーズ船の寄港は可能と考えており、今後、国の交付金事業を活用しフェンス等を整備することにより、国際クルーズ船の寄港を実現したい」と答弁されております。  しかしながら、現在、本港区には、奄美・喜界航路や種子・屋久航路、十島・三島航路の定期航路を初め、漁船等の出入りが多いことから、既存の航路との調整や安全性の確保などが懸念されます。  また、国においては、南西諸島を対象とした大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査を実施しているところであり、世界自然遺産の屋久島、平成三十年に登録予定の奄美など離島地域の魅力を生かしながら、県内の主要港を結ぶクルーズ船の周遊ルートづくりが必要であります。  そこで伺います。  第一点は、マリンポートかごしまにおけるさらなるクルーズ船の大型化に対応した港湾整備や誘致の今後の対応についてお示しください。  第二点は、北埠頭におけるクルーズ船の受け入れ状況と、五万トン級の国際クルーズ船の受け入れの課題と対応についてお示しください。  第三点は、熊毛、奄美の離島地域と鹿児島、指宿、志布志等の県内主要港を結ぶクルーズ船誘致に向けた県の考え方をお示しください。    [知事三反園 訓君登壇] 22 ◯知事(三反園 訓君)お答え申し上げます。  鹿児島空港国際線の維持・拡充についてであります。  鹿児島空港国際線の昨年の利用者数はおよそ十九万三千人となり、三年連続で過去最高を更新したところであります。これは、外国人利用者がここ五年でおよそ三倍と大幅に伸びたことによるものであります。  また、ことし七月の台北線の増便によりまして、現在、四路線週二十便となっておりますけれども、ソウル線につきましては、冬期における週二便の増便が計画されております。利用者のさらなる増加が見込まれるところであります。  国際線の維持・拡充には、イン・アウト双方のバランスが重要と言われております。このため、本県では、県民利用の増加を図る観点から、県内中学・高校の海外修学旅行の助成額を今年度から引き上げたところであります。また、チャーター便の実績を積み上げまして、新たな国際定期路線の拡充につなげるために、チャーター便就航促進に係る助成の拡充なども行ったところであります。  私としましては、今後とも、鹿児島空港国際線の維持・拡充を図るため、イン・アウト双方における利用促進、さらなる増便に向けまして精力的に取り組んでまいります。  マリンポートかごしまにおけるクルーズ船対応についてであります。  本県におけるクルーズ船の寄港数は、近年飛躍的に伸びておりまして、ことしは百六十回を超える見通しであります。このうち鹿児島港においては、昨年の八十三回を大きく上回り、過去最高となるおよそ百二十回の寄港が見込まれ、予約が重複し、寄港できないケースも出てきております。  また、クルーズ船の大型化が進んでおりまして、現在、日本に寄港しているクルーズ船では最大となる十六万トン級のクルーズ船を受け入れるための岸壁の改良などを行っているところであります。  県といたしましては、クルーズ船の寄港数の増加、さらなる大型化に対応するために、マリンポートかごしまにおいて、世界最大の二十二万トン級のクルーズ船が接岸できる新たな岸壁の整備に向けて、所要の手続を進めてまいります。  さらに、船社訪問の際にマリンポートかごしまの施設整備の情報提供を行うなど、積極的な誘致に努め、多くのクルーズ船が寄港する埠頭として、本県の観光振興に資するよう取り組んでまいります。  北埠頭におけるクルーズ船対応についてであります。  北埠頭を含む鹿児島港本港区エリアは、天文館にも近く、桜島が見える一番のスポットであります。来て見て感動するまちづくりの目玉として、国内外から観光客を呼び込み、回遊していただける拠点として考えております。  北埠頭においては、これまで三万トン級のクルーズ船が寄港しておりまして、ことしは二万二千トンのにっぽん丸が三回寄港する予定であります。現在、北埠頭において、外国船を受け入れる上で保安上必要となるソーラスフェンスの整備等を行っておりまして、今月末には国際クルーズ船が寄港できる環境が整う予定であります。さらに、五万トン級のクルーズ船が寄港できるよう、既存航路との調整、安全対策の検討などを進めておりまして、来年度には五万トン級を受け入れたいと考えております。  今後とも、北埠頭とマリンポートかごしまを活用しながら、鹿児島の魅力を十分に発揮できるようクルーズ船の受け入れ環境整備を着実に推進し、積極的な誘致に取り組んでまいります。  離島地域と県内主要港を結ぶクルーズ船誘致に向けた考え方についてであります。  本県は、南北六百キロメートルにわたり、種子島、屋久島、奄美群島など個性豊かな島々を有しておりまして、これらは本県の魅力的な観光資源であると認識しております。また、奄美の世界自然遺産登録が実現しますと、屋久島と合わせて二つの世界自然遺産を持つ全国唯一の県となり、本県観光の最大のセールスポイントの一つとなるものと考えております。  私のマニフェストにもありますけれども、「奄美の世界遺産登録を推進し、奄美群島を世界に誇れる自然体験型海洋リゾートにします」と掲げているところでもあります。今後さらに、鹿児島の地理的優位性や熊毛、奄美を初めとした個性豊かな離島の魅力も生かしながら、本県のPR・観光戦略の目玉として、例えばエーゲ海クルーズのような本土と各島々を結ぶ世界遺産クルーズの提案など、本県のポテンシャルを最大限生かした誘致活動に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 23 ◯企画部長(東條広光君)企画関係につきまして、初めに、訪日誘客支援空港の内容と効果についてであります。  議員御紹介のとおり、国は、地方空港への国際線の就航等に向けた取り組みを支援するため、七月に、鹿児島空港を含む全国二十七空港を訪日誘客支援空港に認定したところであります。このうち鹿児島空港は、最大の支援を受けられる拡大支援型に認定されましたことから、着陸料の減免が拡充されるほか、待合スペース等旅客の受け入れ環境の整備も優先的に実施できることとなりました。  この訪日誘客支援空港の認定により、鹿児島空港への新規就航等を行う航空会社においては、コスト削減や利用者の利便の向上を図ることができますことから、県としては、新たな路線誘致に向け、各種支援制度の積極的な活用を検討してまいりたいと考えております。  次は、鹿児島空港の民間委託についてであります。  空港の民間委託は、民間事業者が滑走路と空港ビル等とを一体的に運営することにより、内外の交流人口の拡大による地域活性化等の実現を図ろうとするものでありまして、関西・伊丹空港等では昨年から民間委託が開始され、また、高松空港や福岡空港では現在、運営権者の選定手続が進められているところであります。  鹿児島空港につきましては、これまで、入国審査場の拡充など空港機能の強化に取り組んできたところでありますが、空港の民間委託についても検討すべき重要なテーマと認識いたしております。このため、現在、先行事例の情報収集や関係者との意見交換等を行うほか、公共性を担保するための自治体のかかわり方や本県の特徴としての離島路線への影響など、民間委託に伴う論点整理を行っているところであります。  次は、肥薩おれんじ鉄道の決算概要と収支改善の取り組みについてであります。  昨年度の肥薩おれんじ鉄道の決算は、営業収益が十三億六百万円、営業費用が十七億二千四百万円であり、減価償却前の営業損益が四億一千七百万円の赤字、補助金収入等の特別損益を加えた当期純損益が一億九千六百万円の黒字となっております。  同鉄道におきましては、安全かつ安定的に鉄道事業を展開するため、今年度から五年間の中期経営計画を策定し、収支の改善に取り組んでいるところであります。具体的には、既にダイヤの見直しやインバウンド対応の強化などに取り組んでおり、今後、運賃改定の検討も行うこととしております。また、多額の支出が見込まれますレールなど老朽化した施設設備については、優先順位をつけ計画的に修繕・更新を行うこととしております。  次は、肥薩おれんじ鉄道に対する県の支援の現状と今後の取り組みについてであります。  県では、肥薩おれんじ鉄道の安定運行を確保するため、沿線市等との連携により、平成二十六年度から十年間の支援スキームを構築し、鉄道基盤設備の維持等に対して支援を行っております。また、県と沿線市等とでは利用促進協議会を構成し、学校行事等に対する運賃助成や沿線イベントの支援、おれんじ食堂の料金の一部助成なども実施しております。  今後の取り組みとしましては、鉄道基盤設備の維持等に対する支援を継続するとともに、これまでの事業に加えまして、明治維新百五十周年を契機として訪れる観光客の誘客につなげるため、新たに、駅に明治維新とゆかりのあるキャッチコピーをつける事業を実施する予定であります。  同鉄道は、地域住民の日常生活に欠かせない交通手段でありますとともに、貴重な観光資源、基幹物流ルートとして重要な役割を担っておりますことから、熊本県や沿線自治体等とも連携し、経営安定化に向けた取り組みを継続しつつ、国に対しては、財政支援措置の拡充等について引き続き要望してまいりたいと考えております。  次は、JR九州の完全民営化後の在来線の維持・存続についてであります。  在来線は、通勤・通学など地域住民の日常生活に必要不可欠な移動手段として、地域経済や社会生活にとって極めて重要な役割を果たしております。JR九州につきましては、完全民営化後も路線の適切な維持に配慮して事業を営むことが国から求められておりまして、県としましても、これまでJR九州に対し、在来線の維持・存続を初め、輸送サービスの改善等について要請してきております。また、県では、沿線自治体等とも連携して、沿線ガイドマップの作成などにより、その利用促進にも取り組んでいるところであります。
     在来線を取り巻く環境は、少子高齢化等に伴って厳しい状況にありますが、県としましては、引き続き利用促進に取り組みますとともに、鉄道ネットワークの維持とさらなる発展への努力をJR九州に求めてまいりたいと考えております。 24 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、PR基本戦略及びキャッチコピーの見直しの議論内容等についての御質問でございます。  外部有識者による検討会議につきましては、これまで二回開催しており、ターゲット設定の考え方やICTの積極的活用、メディア視点を意識したPRや実用的な効果検証の必要性など、各委員それぞれの専門的な立場からさまざまな意見が出されたところであります。  現在、策定中の戦略骨子案におきましては、鹿児島の持つ観光素材や県産品などさまざまな魅力を差別化し、県外の方々に知ってもらい、選んでもらうために、各委員からの意見も踏まえながら、メディアに露出するための工夫や海外を意識した取り組み、ICTの活用など、PRの方向性や展開方策等を取りまとめることとしております。  次に、明治維新百五十周年に向けた取り組みでございます。  今月二十三日には鹿児島空港におきまして、百日前カウントダウンセレモニーを行うとともに、三十日には鹿児島市におきまして、「パリ万博と薩摩藩」をテーマに記念シンポジウムを開催し、明治維新百五十周年の機運醸成を図ることといたしております。また、十月七日には東京で、明治維新にゆかりの深い鹿児島、山口、高知、佐賀の四県知事によるフォーラムを開催し、全国に向けた情報発信を行うことといたしております。  十月十五日には鹿児島港本港区北埠頭におきまして、明治維新体感フェスを開催し、トークショーやコンサート等を通して、県内外の幅広い層の来場者に明治期の歴史・文化等を気軽に、そして身近に感じてもらいたいと考えております。  来年は、大河ドラマ館のオープンやパブリックビューイングなど、大河ドラマ「西郷どん」の放送効果も活用したキャンペーン活動を強化していくこととしております。  今後とも、明治維新百五十周年記念プロジェクト実行委員会の意見も参考にしながら、オール鹿児島で官民一体となって、かごしま明治維新博を展開し、鹿児島の歴史や文化等の魅力を広く県内外にアピールしてまいります。  次に、スポーツ合宿の受け入れ状況等についてでございます。  県では、国内外のプロや大学等のキャンプ誘致に取り組んでおり、県外からの合宿参加者はおおむね年々伸びてきております。昨年度は過去最高の約十四万四千人の合宿参加者があり、十年前の平成十八年度と比べて約二倍に増加しております。地域別では、大隅地域が約四万三千人で全体の約三割、北薩地域が約二万八千人で全体の約二割となっており、この二地域で全体の半数を占めております。  誘致に当たりましては、関係団体・市町村との連携が不可欠であると考えており、平成十八年度から組織しておりますスポーツキャンプ対策県連絡会・地域連絡会を通じて、さらなる連携強化に取り組んでいるところであります。  今後とも、関西、福岡でのスポーツ合宿セミナー、視察ツアーなどの誘致活動や激励品の贈呈などの受け入れ体制整備等に関係団体と連携して取り組むことにより、スポーツ観光の振興をさらに図ってまいります。  次に、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿の誘致の取り組み状況についてでございます。  県では、地域経済の活性化や国内外に向けた鹿児島の知名度向上を図ることなどを目的とし、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿の誘致活動に取り組んでおります。昨年度からは、誘致を希望する県内十八市町などから成る行政連絡会を設置し、情報の収集・共有に努めております。本年度は、誘致を希望する市町と一緒に海外の競技団体等を直接訪問するとともに、鹿屋体育大学とも連携し、本県の合宿環境のPRや視察の提案などを行っているところであります。  県といたしましては、今後とも、関係団体と一体となって事前合宿の誘致に努めてまいります。  大隅陸上競技トレーニング拠点施設の整備状況等についてでございます。  大隅陸上競技トレーニング拠点施設につきましては、陸上競技に特化した日本最大規模のスポーツ合宿拠点施設として、現在、全国最長の室内直走路の新築工事等を行っており、平成三十年度中の完成を目標に整備を進めているところであります。  また、完成後の管理運営につきましては、鹿屋体育大学と連携したスポーツ科学に基づいた専門的なサポートや、受け入れ体制の整備や管理運営体制のあり方などについて、大隅地域の自治体や宿泊・交通事業者等と一体となって検討を進めているところであります。  この施設は、日本代表選手などの一流アスリートを受け入れ可能なトレーニング施設として、県内外からの陸上競技の合宿での利用を想定しておりまして、本年度、施設を紹介したパンフレットを作成し、現在、日本陸上競技連盟等の関係機関に直接出向いてPRしておるところであります。  今後とも、完成後の利用促進に資するよう、関係機関等と連携を図りつつ、さまざまな機会を捉えて合宿誘致に努めてまいります。 25 ◯土木部長(渡邊 茂君)まず、建設業の担い手確保・育成についてです。  建設業における担い手の確保・育成は重要な課題であることから、技能労働者の適切な賃金を確保するため、設計労務単価を五年間で約四割引き上げたところです。また、社会保険未加入対策として、加入を入札参加資格要件としているほか、法定福利費相当額を予定価格に反映させるとともに、元請業者に対しても下請業者への支払いを指導するなど、労働環境の改善に向けて取り組んでおります。  さらに、建設産業担い手確保・育成事業において、未就職者等を雇用した建設企業に対する人件費や研修費の助成を行っているほか、関係団体と連携しながら、土木フェスタや工業高校生を対象とした現場見学会等を実施しており、今後とも、建設業の担い手の確保・育成に取り組んでまいります。  続きまして、建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインの策定を受けました県の取り組みについてです。  本ガイドラインは、働き方改革実行計画を踏まえ、建設現場における休日の確保等を考慮した適正な工期設定や施工時期の平準化、生産性向上等について、受注者・発注者が取り組むべき事項として、先月、国において取りまとめたものです。  本県では、適正な工期設定につきましては、週休二日の確保を前提とした工事の発注や、休日拡大に伴う必要経費の請負代金への反映等について、現在検討を進めております。また、施工時期の平準化につきましては、債務負担行為の活用や工事着手前の余裕期間の設定等に取り組んでいるところです。  県といたしましては、本ガイドラインの趣旨を踏まえ、これらの取り組みを着実に推進することにより、建設業への時間外労働の上限規制の適用に向けた環境整備に努めてまいります。  続きまして、建設現場におけるICT化への取り組みについてです。  国土交通省では、建設現場における生産性を向上させる新しい取り組みであるアイ・コンストラクションを推進しており、特に、三次元データを活用した切り土や盛り土工事、いわゆるICT土工に積極的に取り組んでおります。県工事においても、本年二月に二件の試行工事を発注したところです。  建設現場におけるICT化は、三次元データの取得や建設機械のリース等に要する費用が割高となる一方、施工の効率化や品質・安全性の向上に大きく寄与することから、県といたしましては、今後も国の動向等を見きわめながら、拡大に向けた取り組みを推進してまいります。    [堀口文治君登壇] 26 ◯堀口文治君 知事、部長等にそれぞれ御答弁いただきました。  国際線の維持・拡充等についてでございますが、鹿児島空港が訪日誘客支援空港の拡大支援型として認定されたことで、今後の路線の拡充、誘客促進に一層の弾みがつくものと期待するところでありまして、国と連携した一層の取り組みを要望いたします。  肥薩おれんじ鉄道の経営安定対策等についてでありますが、沿線人口が減少する中で、設備の老朽化対策等も考慮すれば、会社側の経営改善の努力だけでは限界があるのは明らかであります。新幹線効果や幹線物流ルートとしての意義を踏まえつつ、国による財政支援・税制特例の拡充や、特にJR貨物から支払われる貨物調整金のさらなる拡充を図るなど、新たな枠組みの構築に引き続き取り組まれるよう要望いたします。  また、在来線の維持・存続につきましては極めて重要な問題であり、危機感を持って対応していくよう要望いたします。  PR・観光戦略につきましては、一層の戦略的・実効的な内容となることを要望いたしますとともに、明治維新百五十周年関連の実施イベント等について、特に来年の取り組み内容を早急に検討するとともに、一過性でない官民一体となった取り組みを期待するところであります。  スポーツ合宿誘致についてでありますが、昨年度のスポーツキャンプ・合宿の受け入れが過去最多を更新したとのことであり、さらに、オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致に向けたさらなる取り組みを要望いたします。  建設業界におきましては、近年、求人数が増加する一方で人手不足が深刻になっております。建設業の働き方改革や建設分野のICT化など、国の取り組みを踏まえた労働環境の改善などにより、引き続き、建設業の担い手確保・育成に努めていただくよう要望いたします。  大型クルーズ船の受け入れにつきましては、国の積極的な施策展開を背景に、九州各県でもさまざまな取り組みが始まっております。世界遺産を初め、多彩な観光資源など本県の持つポテンシャルを生かすべく、国と連携した戦略的な取り組みを強く要望いたします。また、そのためにはクルーズ船需要に対応した港湾機能の整備は極めて重要であり、さらなる取り組みを要望いたします。  次に、教育関係について伺います。  全国学力・学習状況調査についてであります。  ことし四月に実施された小学六年生と中学三年生を対象とした全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの結果が先ごろ公表されました。テストは、国語、算数・数学で行われ、主として知識に関するA問題と、主として活用に関するB問題が出題され、本県の平均正答率は、中学校においては全教科で全国平均を下回り、小学校においても、A問題は全国平均と同程度だったものの、B問題は平均を下回るという結果でありました。しかも、公立小・中学校の全教科を平均正答率で見た場合、本県は小学校で三十一位、中学校では四十五位という状況であります。  全国学力・学習状況調査の目的は、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析を行い、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立て、また、そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立することを目的としております。  本県においては、当初より知識・技能の活用力に課題がある状況が継続しており、これまでも本県独自のさまざまな学力・指導力向上の対策に取り組んでこられたところであります。  その一方で、平成二十六年度から三十年度を期間とする本県教育振興基本計画においては、全国学力・学習状況調査における平均正答率を本年度までに全教科で全国平均と同程度とし、来年度は全国平均を上回る数値目標を掲げておられるほか、知事はマニフェストで、「全国平均以上になるよう、指導力の向上に努め、教育県鹿児島の復活を目指す」と掲げておられます。  そこで伺います。  第一点は、この教育振興基本計画の数値目標及び知事のマニフェストを踏まえ、本県の結果についてどのように捉えておられるのか、お聞かせください。  第二点は、全国学力・学習状況調査の開始から十年以上経過しましたが、教育施策の成果と課題の検証結果をこれまでどのように学力・指導力向上の改善に役立ててこられ、改善効果がどのようにあらわれているのか、お示しください。  また、今回の結果を踏まえ、本県にとってさらに必要な施策についてお示しください。  次に、離島における特別支援教育について伺います。  障害のあるなしやその他の個々の違いを認め合い、さまざまな人々が生き生きと活躍できる共生社会を実現するためには、特別支援教育を着実に進める必要があります。そのためには、障害のある子もない子も同じ場でともに学ぶことを追求するとともに、障害のある幼児・児童生徒の自立と社会参加を見据えて、一人一人の教育的ニーズに対して適切な指導や必要な支援を提供できる多様な学びの場の整備が求められております。  本県離島においては、奄美大島及び種子島に特別支援学校が設置されておりますが、障害のある子供たちに義務教育終了後も引き続き地元で専門的な教育を受けさせたいという保護者の要望を受け、本県独自の取り組みとして、平成二十二年度から与論島で、平成二十五年度から徳之島と沖永良部島で、高校校舎を活用した大島養護学校高等部訪問教育が実施されているところであります。  また、喜界島及び屋久島の関係保護者等からは、県議会に対しまして、島内における特別支援学校高等部の分教室の設置等について、請願書が提出されております。  議会においては、県内のあらゆる地域において多様な学びの場を用意していくためには、離島における特別支援教育の充実は早急に取り組むべき重要な課題であるとして、平成二十九年三月に政策提言を行ったところであります。  これらの動向を踏まえ、今定例会における知事の提案理由説明において、特別支援教育の一層の充実を図るため、これまでの高校校舎を活用した特別支援学校高等部訪問教育を、特別支援学校高等部支援教室とし、新たに屋久島、喜界島にも設置することを表明されたところであります。  そこで伺います。  第一点は、特別支援学校高等部支援教室の具体的内容についてお示しください。  あわせて、これまでの高校校舎を活用した特別支援学校高等部訪問教育との違いについてお示しください。  第二点は、屋久島及び喜界島に設置される特別支援学校高等部支援教室の生徒が、地元の高校生と同じ場でともに学んでいけるための取り組みについてお示しください。  次に、警察関係について伺います。  初めに、防犯ボランティアについて伺います。  刑法犯認知件数が戦後最多を記録した平成十四年以降、警察庁では、官民連携した安全・安心なまちづくりを推進してこられました。このような取り組みにより、地域住民による防犯ボランティア活動が全国各地で活発化する一方、平成十年代半ば以降、刑法犯認知件数は減少傾向で推移しているところであります。  本県の刑法犯の認知件数についても、平成二十二年から七年連続して戦後最少を記録しており、また、県警がことし一月に実施した、治安等に関するアンケート調査の結果でも、治安を不安に感じる人の割合が、平成十七年の調査開始以来、最低の二〇%となっております。  なお、不安に感じることが少なくなった原因として、「地域社会の連帯意識の高まり」、「地域に身近な犯罪等に関する情報の提供」、「住民の規範意識の向上」、「地域住民等による防犯ボランティア団体の取り組みの活発化」の順に回答が多くなっております。  防犯ボランティア団体の多くは、自治会等の地域住民の団体や子供の保護者の団体であり、自動車に青色回転灯を装備した青パトや徒歩によるパトロール、登下校時間帯における子供の見守り、高齢者への声かけ等の活動に取り組んでおられます。また、最近の犯罪情勢を踏まえ、うそ電話詐欺の被害防止のため啓発活動を実施している団体もあります。  良好な治安は、社会・経済発展の礎であり、警察は、地域における犯罪等の防止を図る責務を有していますが、その効果を上げるためには、防犯ボランティア活動に当たる地域住民等の活動を支援し、安全・安心なまちづくりに向けた地域住民等の取り組みを持続可能なものにしていくことが必要であります。  しかしながら、全国的に人口減少、少子高齢化が進展する中、防犯ボランティア活動を担っている構成員の高齢化や後継者不足、活動資金の不足といった課題があるほか、近年では、防犯カメラの設置など、運用ノウハウなどの面で適切な対応が難しいといった課題も発生しております。  そこで伺います。  第一点は、本県における過去五年間の防犯ボランティア団体・構成員の推移についてお示しください。  第二点は、地域において安全・安心なまちづくりに向けた活動を持続させるため、防犯ボランティアの担い手を確保・育成するための取り組み及び防犯ボランティアに対する資金面の支援策についてお示しください。  第三点は、防犯ボランティアの活動内容を深めるためのノウハウや知識・情報提供の取り組みと、地域住民の防犯意識を醸成し、防犯ボランティア活動に対する理解を深めるための普及啓発の取り組みについてお示しください。  次に、薬物対策について伺います。  県内では、昨年二月に徳之島沖で、外国から来た船から暴力団組員らが覚醒剤約九十九キログラム─末端価格六十九億円相当─を密輸したとして、覚せい剤取締法違反で逮捕された事案が発生したほか、ことし六月には屋久島沖で、漁の網にかかった土のう袋からヘロインが入ったポリ袋約二百個が発見されたことが判明しました。末端価格は約二十一億円に上ると見られております。  本県は多くの離島や海岸線を有していることから、これまでも県本土や離島は密輸の陸揚げ地や中継地として利用されてきましたが、依然として薬物取引の舞台となっていることがわかりました。  また、昨年十月には霧島市で、大麻を栽培していたベトナム人らが大麻取締法違反で逮捕され、乾燥大麻と大麻草約百十キログラム─末端価格五億五千万円相当─が押収された事案や、ことし六月には、麻薬特例法違反により小学校教諭が起訴されるという驚くべき事案も発生するなど、依然として本県の薬物犯罪は後を絶たない状況であります。  薬物乱用防止のためには、需要の削減を図るとともに、その供給を遮断することが肝要であります。覚醒剤を初め、我が国で乱用される薬物は外国から密輸入されることが多いことから、密輸阻止に向けた水際対策を徹底する必要があり、関係機関の連携のもと情報収集を強化するとともに、密輸取り締まり体制の強化・充実を図ることが重要であります。  一方で、薬物が携帯電話やインターネットを利用して密売されるなど、年々巧妙化・潜在化していることから、サイバーパトロール等による情報収集の強化を図る必要があります。  薬物乱用は、乱用者自身の精神や身体をむしばむばかりでなく、幻覚、妄想等により、乱用者が殺人等の凶悪な事件や重大な交通事故等を引き起こすこともあるほか、薬物の密売が暴力団等の資金源となることから、社会の安全を脅かす重大な問題であります。県警におかれては、薬物事犯の取り締まりを一層強化されるとともに、関係機関と連携して、薬物の根絶に努めていただきたいのであります。  そこで伺います。  第一点は、本県における平成二十八年の薬物事犯の検挙状況及び傾向等についてお示しください。  また、関係機関等と連携した薬物の水際阻止対策及び薬物密売方法の巧妙化・潜在化に伴う対策についてお示しください。  第二点は、薬物乱用の未然防止に向けて、薬物乱用の有害性・危険性についての正しい知識の周知や、薬物乱用を拒絶する規範意識を向上させるための広報啓発の取り組みについてお示しください。  第三点は、公立小・中・高等学校の児童生徒を対象とした薬物乱用防止教育の取り組みについてお示しください。  次に、ストーカー対策について伺います。  平成二十八年中に全国の警察に寄せられたストーカー事案の相談件数は二万二千七百三十七件で、前年比三・五%増となるなど引き続き高水準で推移しているほか、最近のスマートフォンの普及やSNS利用の広がり等により態様が多様化するなど、ストーカー事案を取り巻く厳しい情勢が続いております。  昨年五月に、東京都小金井市で芸能活動していた女子大学生がファンの男に刺される事件が発生しました。犯人は、女子大学生のSNSに好意を示す書き込みを執拗に繰り返していましたが、相談を受けた警察は、SNSはつきまといの定義に含まれない、直ちに危害を加えるような内容でないと、ストーカー被害として扱わず、最悪の結果を招くこととなりました。  この事件をきっかけに、昨年十二月にストーカー規制法が改正され、つきまといの対象が電話や電子メール、ファクスから、改正後はSNSやブログにまで対象を広げ、相手に拒まれた状態で連続送信するなどの行為を禁じております。  ストーカー事案は、事態が急展開して殺人、傷害致死等の重大事件に発展するおそれが大きいことから、加害者が被害者に危害を加えることが物理的に不可能な状況を速やかにつくり上げ、被害者等の安全を確保することが肝要であります。  繰り返される重大事件を防ぐためには、被害者からの相談があった時点で、その危険性・切迫性を的確に判断する必要があると同時に、被害者に寄り添い、安全確保を第一とする警察官の適切な対応が求められております。  その一方で、ストーカー加害者の一割は警察が介入した後も再発するとされ、全国の警察が昨年四月から、地域の精神科医らと連携し、助言を得ながら、治療を促す取り組みを始めております。報道によりますと、昨年四月から十二月までの間に、各警察の働きかけで受診に至ったケースが二百九十三件中二五%の七三件であったとのことであります。  そこで伺います。  第一点は、改正ストーカー規制法の概要についてお示しください。  第二点は、警察官の専門的能力の向上を図るための取り組みや、事案を担当する警察の体制整備についてお示しください。  また、ストーカー被害者等からの相談にも対応する男女共同参画センターなどの相談員等の資質の向上を図るための取り組みについてもお示しください。  第三点は、ストーカー加害者の治療を促す取り組みについて、本県の取り組み状況についてお示しください。  以上、第二回目といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 27 ◯知事(三反園 訓君)全国学力・学習状況調査の本県の結果に対する所感についてであります。  今年度の全国学力・学習状況調査の結果につきましては、小学校のA問題以外は全国平均を下回る状況であり、結果を厳しく受けとめるとともに、児童生徒の思考力、表現力が重要だと考えておりまして、こういう問題は喫緊の課題であると考えております。
     そのためにも、小学校段階から、発表する力を身につける、考えて言葉にする力を身につけることが重要であると考えております。そのための方法として、児童生徒一人一人に応じたきめ細かな授業、発表できたら褒めるなどの取り組みも必要ではないかと考えております。  県教委においては、学習指導要領の改訂も踏まえ、教員の指導力のさらなる向上に取り組んでいただくとともに、私も県教委や関係機関と連携を図りながら、子供たちが学びやすい環境を整えながら、確かな学力の定着に努めてまいります。 28 ◯教育長(古川仲二君)まず、学力向上に関する教育施策の成果と課題の検証結果の活用等についてであります。  今年度の全国学力・学習状況調査の結果は、小学校の国語A、算数Aが全国平均と同程度でございましたけれども、小学校のB問題と中学校については全国平均を下回ったところでございます。また、これまでの調査を振り返りますと、全国的には学力差は縮小傾向にあると言われている一方で、本県では継続して、思考力、判断力、表現力等に課題があり、厳しい状況にあると認識いたしております。  このような状況から、県の指導主事を中心とする授業サポートプロジェクトの展開や、学力向上支援Webシステムの構築を進め、教え込む授業から、児童生徒がみずから考え、主体的・対話的に取り組む授業への転換などに努めてきたところでございます。  今後は、今回の調査結果の詳細な分析を行いますとともに、主体的・対話的で深い学びの視点での授業改善を強力に推進し、また、学校全体で学力向上に向けた組織的な取り組みが展開されますよう、大学教授等から、学力向上推進体制のあり方や各種学力調査の詳細な分析等について指導・助言を受けるなど、児童生徒の学力を向上させる施策を一層充実してまいりたいと考えております。  次に、特別支援学校高等部支援教室の具体的な内容等についてであります。  県教委では、与論、徳之島、沖永良部の各島において、地元の高校校舎を活用した特別支援学校高等部訪問教育を実施し、地元で教育を受けさせたいという保護者等のニーズに応えてきたところでございます。  来年度からは、この名称を特別支援学校高等部支援教室と変更するとともに、新たに、大島養護学校高等部喜界支援教室、中種子養護学校高等部屋久島支援教室を設置し、教育機能の充実を図ることにいたしております。具体的には、開設要件を希望者が一人の場合でも開設できるように緩和いたしますとともに、一週間当たりの授業時数についても、これまでの在籍生徒数に応じて設定いたしていたものを、生徒数にかかわらず要望がある場合は、本校と同じ一千五百分までを可能としたところでございます。  次に、支援教室の生徒と地元高校生との交流についてであります。  支援教室の生徒が地元の高校生とともに学ぶ取り組みについては、これまでも生徒の実態に応じて教科等の授業の合同実施や学校行事への参加など、交流及び共同学習を積極的に行ってきたところでございます。  今回の支援教室の設置に当たりまして、生徒や保護者からは、できるだけ多く地元の高校生とともに活動する機会を設けてほしい、部活動などへも参加させてほしいなど、より一層の充実を望む声が多く出されたところでございます。  県教委といたしましては、これらの要望を踏まえまして、音楽や体育などの合同授業の実施や、生徒の実態に応じた部活動への参加など、交流及び共同学習をさらに推進し、可能な限り地元の高校生とともに学ぶ機会の拡大を図ることができるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、薬物乱用防止教育の取り組みについてであります。  小・中・高等学校においては、保健体育の授業等で、発達の段階に応じた薬物乱用防止の指導を行いますとともに、学校薬剤師や警察官などを講師とした薬物乱用防止教室も行っているところでございます。昨年度は、この教室を公立の中学校及び高等学校では一〇〇%、小学校では八五%で実施いたしたところでございます。小学校における実施率は年々高まり、全国平均よりも高い状況にはございますが、近年、青少年への乱用の広がりが懸念されるなどの状況を踏まえますと、さらなる取り組みが必要であると考えているところでございます。  また、県教委では、学校と家庭が一体となった取り組みを推進するため、教職員や保護者を対象に研修会を開催し、薬物乱用の恐ろしさや低学年からの指導の重要性などについて指導・啓発を行っております。  今後とも、関係機関と連携を図り、薬物乱用防止に向けた取り組みを充実させてまいります。 29 ◯警察本部長(河野 真君)防犯ボランティア団体・構成員の推移についてであります。  県内における防犯ボランティア団体は、昨年末で約八百団体・約二万九千人を把握しており、過去五年間横ばいで推移しております。  防犯ボランティアの担い手を確保する取り組みについてであります。  県警察では、防犯ボランティアの担い手を確保・育成するため、定年退職した世代など幅広い世代に対し、防犯ボランティア活動への参加を働きかけるとともに、大学生のボランティア団体の活動を支援するなどしております。  また、警察による支援策としては、地域安全安心ステーション推進事業などの指定を受けた団体に対するパトロール用品の貸与支援を行っているほか、県警察協会による青パト隊に対するガソリン代の助成、関係機関等による防犯ボランティア団体等に対するパトロール用品の支援などがあり、今後とも、自治体等と連携し、防犯ボランティア団体に対する支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、防犯ボランティア活動の普及啓発の取り組みについてであります。  県警察では、防犯ボランティア活動のノウハウや知識・情報の提供として、マニュアルの配布、研修会の開催、警察官との合同パトロールの実施、地域安全情報の提供などに取り組んでおります。また、関係機関等と連携し、年三回県下全域で地域安全運動を実施しているほか、各警察署では防犯教室等を随時開催するなど、広く県民にボランティア活動の普及啓発を図っております。  次に、本県の薬物事犯検挙状況等及び対策についてであります。  本県では平成二十八年中、薬物事犯で七十一人を検挙し、前年比で十三人の減少となっております。検挙内訳は、覚醒剤事犯で五十七人、大麻事犯で十三人、麻薬向精神薬事犯で一人となっておりまして、薬物事犯の傾向として、覚醒剤事犯は使用事犯及び所持事犯での検挙が大半で、半数以上が再犯者であります。一方、大麻事犯では約七割の九人を初犯者が占めております。  本県では多くの離島、海岸線を有し、密輸事犯の中継地、陸揚げ地として利用されやすい状況にありますことから、税関、海上保安庁との連携を密にして情報の共有化を図り、薬物の水際での阻止に向けた対策を推進しているところであります。  また、携帯電話やインターネットの利用により、一般県民が容易に違法薬物を入手できることから、情報収集の強化を図り、違法薬物取引の実態解明に努めるとともに、関係機関とも連携を図りながら取り締まりを推進しているところであります。  次に、改正ストーカー規制法の概要についてであります。  今回の法改正では、住居等の付近をみだりにうろつくこと、拒まれたにもかかわらずSNSを用いたメッセージの送信を行うことなどが追加されたほか、迅速かつ効果的に禁止命令等を発出する観点から、警告を経ずに禁止命令等が行えること、緊急の場合には、事前手続として必要な聴聞を事後に行えることなどの制度が導入されたことや、ストーカー行為罪の非親告罪化や罰則の強化が行われたことが主な改正点であります。  次に、ストーカー事案等における警察の体制整備についてでありますが、県警察では、法改正を受け、本部・県下各署の担当者を招致した研修会を行ったほか、警察署では、被害者から直接相談を受ける担当者等を対象に実践的訓練を開催し、その効果を署幹部や本部のストーカー・配偶者暴力対策室員が検証して、適切に対応できる人材の育成と能力向上を図っております。また、本部のストーカー・配偶者暴力対策室では、専門捜査員を休日・夜間も常駐させ、認知時点から警察署と連携して対応する体制を構築しております。  次に、ストーカー加害者の治療を促す取り組みについてであります。  県警察では、ストーカー加害者に対する精神医学的治療等制度として本年四月一日から運用を開始したところであります。制度の対象は、警告等を行ってもつきまとい等を継続する加害者、または恋愛感情のもつれに起因する暴力的事案の加害者のうち、加害行為の原因に精神疾患等があり、みずから積極的に専門医の助言や治療等を受ける意思のある者であります。  本制度により、加害者の被害者に対する執着心や支配意識を取り除くことで、再犯を防止し、被害者の安全確保を図る効果が期待されており、制度開始後六人の加害者へ働きかけ、一人が治療等に応じた実績があります。  今後とも、本制度を積極的に推進するとともに、関係機関等と連携し、加害者の再犯を防止して、被害者の安全確保に努めてまいりたいと考えております。 30 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)薬物乱用防止に係る広報啓発の取り組みについてであります。  県では、県下全域で年間を通じ、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動などでの街頭キャンペーンを実施しております。また、薬物乱用防止シンポジウムを開催し、専門家による講演等を通して、乱用薬物の有害性などについて県民の方々への周知に努めております。さらに、薬務課や保健所の職員による大学生等を対象とした出前講座も実施しております。  県といたしましては、県薬物乱用対策推進地方本部において、引き続き関係機関・団体と情報共有、連携を図りながら、薬物乱用防止の啓発に取り組んでまいります。 31 ◯県民生活局長(中山清美君)ストーカー対策に係る相談員等の資質向上のための取り組みについてでございます。  ストーカー事案については、相談員等が相談者から正確に状況を聞き取り、早期の段階から被害者等が関係機関につながることが重要であります。このため、県としては、研修会において、臨床心理士などからの話を聞く技術の指導、警察からのストーカー事案の特徴や留意点についての説明、関係機関の連携・協力について情報交換を行うなど、相談事案に応じた適切かつ効果的な支援が行えるよう取り組んでいるところであります。  今後とも、研修等の内容の充実を図り、相談員等のさらなる資質の向上に努めてまいります。    [堀口文治君登壇] 32 ◯堀口文治君 大変眠たい時間帯でありますが、いましばらくおつき合い願いたいと思います。元気を出してまいります。  それぞれ御答弁いただきました。  全国学力・学習状況調査については、本年度も本県の低迷が目立ちます。近年、秋田、石川、福井など上位県が固定化する一方で、下位県で取り組みの成果があらわれているところもあります。順位もさることながら、やはり結果を出すことが重要であります。改めて、県教委の実効性のある改善策に向けた取り組みを強く要請いたします。  離島における特別支援教育についてでありますが、議会の政策提言を受けて、新たに屋久島、喜界島も含めて、支援教室として設置することとされたことは評価するところであり、さらなる充実に向けた取り組みを要望いたします。  防犯ボランティアについては、今日の社会情勢を見るにつけ、その役割の重要性がますます高まっております。担い手の確保・育成や支援策、普及啓発などさらなる取り組みをお願いいたします。  薬物対策についてでありますが、近年、大量の覚醒剤やヘロイン、大麻などの薬物事犯が発生しており、関係機関と連携した薬物対策の強化と、若年層を中心とする薬物乱用防止に向けた啓発に努めていただくよう要望いたします。  ストーカー対策につきましては、全国の事例でも、相談に対する適切な対応や関係都道府県警察や関係機関との情報共有が極めて重要な課題となっております。県警のプロジェクトチームや関係機関が連携した被害者・加害者に対する積極的な対応を強く要望いたします。  次に、環境林務関係について伺います。  初めに、災害に強い森林づくりについて伺います。  七月に発生した九州北部豪雨では、スギやヒノキを含む大量の流木や土砂が下流域を襲い、河川の水流をせきとめ、被害拡大を招くとともに、積み上がった流木が捜索活動や復旧の大きな妨げとなりました。また、山地では山腹の表層崩壊が多発しており、集中豪雨や台風による新たな被害発生のおそれもあります。  今回の災害では、山腹崩壊により大量の土砂と流木が下流に流出したことが被害拡大の一因となったと言われており、森林の適正管理の必要性が改めて浮き彫りとなったところです。  本県では、昨年九月に上陸した台風十六号による大雨や強風が土砂災害や風倒木を発生させ、山腹の表層崩壊に伴う大量の流木による被害が広範囲に及びました。  福岡管区気象台の調査によりますと、九州と山口県で二〇〇〇年代に入ってから、一時間に五十ミリ以上八十ミリ未満の非常に激しい雨の降る回数が、一九八〇年代の約一・四倍に増加していることが判明しました。地球温暖化の影響が原因と見られております。  森林には、表面侵食防止や表層崩壊防止などの土砂災害防止機能が備わっていると言われますが、気候変動により激甚化・頻発化する山地災害を防ぐためには、活力ある健全な森林を育成し、森林の有する土砂災害防止機能等を高めて災害に強い森林づくりを行うとともに、治山事業による施設整備など、山地防災・減災対策の実施がこれまで以上に重要となっています。  また、南薩地域や奄美地域において、松くい虫被害による多くの松枯れが発生し、森林の持つ災害防止機能の低下につながるおそれがあることから、あわせて対応が必要であります。  そこで伺います。  第一点は、昨年の台風十六号による山地災害及び土砂災害に係る復旧状況についてお示しください。  第二点は、県内の山地災害危険地区の整備状況についてお示しください。  第三点は、森林の適正管理を含め、災害に強い森林づくりに当たり、現状の課題と県の取り組み状況についてお示しください。  次に、本県の世界自然遺産について伺います。  屋久島が日本初の世界自然遺産に登録されてから、来年で四半世紀を迎えます。世界遺産は、登録後も保全状況を六年ごとに報告し、世界遺産委員会での再審査を受ける必要があるなど、その顕著な普遍的価値を維持していくことが求められております。  屋久島においては、世界遺産地域管理計画に基づくモニタリング計画により、希少種・固有種の分布状況を初め、登山者などによる植生等への影響把握等が行われており、これらの調査結果を屋久島世界遺産地域科学委員会で評価し、各種管理計画や事業の見直しにつなげるなど、屋久島の価値を維持するため関係者の不断の努力が行われております。  また、五年前には、観光客やヤクシカの増加といった課題に対応するため管理計画が改定され、本県も管理計画の策定者として新たに加わったところでありますが、近年の入り込み客数の減少や町による入山協力金制度の開始など、状況は変化しており、新たに生じた課題への対応も必要になると考えます。  さらに、六月には二人が亡くなる遭難事故が発生しました。過去五年では百人を超える人が遭難しております。登山者への危険箇所の周知徹底や登山届の義務づけなど、安全に自然を体験するための検討も必要であると考えます。  来年夏の世界自然遺産登録を目指す奄美にとっても、先行する屋久島の課題や対応に学ぶべきところは多くあります。登録後も見据え、必要な環境整備や本県に求められる役割、保全管理のあり方などを検討し、奄美の価値向上につなげたいと考えます。  また、十月に実施が予定されているIUCNによる奄美の現地調査に関し、七月に徳之島で実施した、あなたのそばで県議会において、「調査を歓迎し、協力したい」という声が寄せられたところであります。世界自然遺産登録に向け、大きな山場を迎える今、県と地元がより一層連携して取り組んでいただきたいと思います。  そこで伺います。  第一点は、近年の屋久島への入り込み客及び入山者の傾向について、外国人客の状況などを含めてお示しください。  第二点は、世界自然遺産の島としての屋久島の現在の課題と今後の対応についてお示しください。  また、これまでの屋久島における課題への対応を参考にした奄美での取り組みについてお示しください。  第三点は、IUCNによる奄美の現地調査の状況についてお示しください。  また、当該調査への県や地元市町村の対応についてお示しください。  第四点は、前回定例会の代表質問で、奄美の国立公園指定に伴う規制周知について取り上げたところですが、その後、奄美大島の国立公園特別地域で昆虫トラップが相次いで見つかっていることに関し、島内外に向け規制周知の徹底をどのように図っていくか、お示しください。  次に、外来生物対策について伺います。  ことし五月以降、兵庫県尼崎市を皮切りに、強い毒を持つ南米原産のヒアリが相次いで発見されています。特定外来生物のヒアリは、貨物に紛れるなどしてアメリカや中国、台湾、オーストラリアなどで既に定着しており、アメリカでは経済的被害が年間約五千億円に上ると推計されています。根絶に成功したニュージーランドでは、一億円以上の経費を投入し、根絶の確認まで二年を要しました。また、兵庫県や大阪府、愛知県では、同じく特定外来生物に指定されているアカカミアリも発見されております。  県内では、六月に鹿児島港新港区で、奄美大島や沖縄に生息する侵略的外来種アシナガキアリが県本土で初めて発見されました。侵入後の対策がおくれると、生息域を拡大し、定着するおそれがあります。過去には、もともと国内には生息しなかったセアカゴケグモが、国内初確認から二十年で四十一都道府県にまで生息域を拡大した例もあります。  沖縄県では、外来種対策の一環として、昨年度から外来種対策事業─ヒアリ等対策─を開始しています。外来アリ類の早期発見技術の検討・開発を実施するとともに、侵入した際の有効な防除技術や初動体制を検討・確立することで、ヒアリ等の侵入による被害を防ぐことを目的に事業を実施しており、県ホームページで調査・検討結果を公開し、活用を勧めております。  国際的な物流の増加に伴い、外来生物の侵入の可能性も大幅に増加し、水際での阻止が重要であります。  そこで伺います。  第一点は、ヒアリなど外来アリに関するこれまでの県内の調査状況についてお示しください。  第二点は、ヒアリなど人的被害を生ずる特定外来生物が県内で発見された場合の対応についてお示しください。  次に、保健福祉関係についてであります。  初めに、障害を理由とする差別解消の推進について伺います。  本年六月、奄美空港において、半身不随のため車椅子を利用している男性がLCCバニラ・エアの便に搭乗する際、車椅子搭乗用の昇降設備がないとして、バニラ・エア社員から、「歩けないと乗れない」、「自力で上りおりできるならいい」などと言われ、十七段のタラップを腕の力ではい上がって搭乗するという事案が発生しました。  本県では、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法の趣旨にのっとり、障害の有無によって分け隔てられることなく、安心して暮らすことのできる鹿児島づくりを推進するため、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例を平成二十六年度に施行しており、正当な理由なく障害を理由として不利益な取り扱いをすることを禁止するとともに、障害のある方への合理的な配慮を求めています。  さらに、県においては、同条例に基づき、障害を理由とする差別に関する相談・紛争解決体制として、障害者くらし安心相談員の配置や障害者差別解消支援地域協議会の設置を行い、きめ細かな対応を行っているものと承知いたしております。  このように、県を挙げて障害者への差別解消に向けて取り組む中、世界自然遺産登録を目指し、入り込み客の増加が見込まれる奄美の玄関口において今回のような事案が発生したことは、まことに遺憾であります。  今後、このような事案が発生することのないよう、障害者差別解消法や条例について、さらなる周知・啓発が求められます。特に公共交通機関に対しては、全ての方が本県を気持ちよく訪れることができるよう重点的な要請が必要と考えます。  また、本県においては、平成二十五年三月に策定された鹿児島県障害者計画が最終年度を迎えていることから、次期計画策定に向け、今回の事案も踏まえた、より実効的な取り組みが求められます。  そこで伺います。  第一点は、条例施行から昨年度までの、障害を理由とする差別に関する相談対応件数及び県障害者差別解消支援協議会のあっせん件数についてお示しください。  また、相談の傾向や特徴をお示しください。  第二点は、障害者差別解消法や条例の普及啓発に係る取り組み状況についてお示しください。  特に公共交通機関における対応は重要であると考えますが、現在の公共交通機関のバリアフリー化の取り組み状況等についてお示しください。  第三点は、現在の鹿児島県障害者計画に基づく取り組みの評価と、次期計画策定に向けた取り組み状況についてお示しください。  最後に、自殺対策について伺います。  二〇一七年版の自殺対策白書によると、我が国の自殺死亡率はワースト六位です。自殺者数は平成十五年をピークに減少傾向にありますが、平成二十七年の年齢階級別死因では、十五歳から三十九歳の世代において死因の一位が自殺となっており、若年層の自殺は深刻な状況となっております。国際的に見ても、若年層で自殺が死因の一位となっているのは、主要先進七カ国では日本のみであります。  自殺に至るまでには、健康、経済、生活、職場、学校における悩み等さまざまな要因が積み重なっていることが多く、昨年四月に施行された改正自殺対策基本法は、自殺対策を「生きることの包括的な支援」と定義し、保健、医療、福祉、教育、労働など関連施策との有機的な連携を図り、総合的に実施することを明確にしました。
     また、都道府県と市町村へ地域自殺対策計画の策定を義務づけるとともに、学校へ自殺予防教育の実施を努力義務として課したほか、全都道府県と政令市へ地域自殺対策推進センターを設置することなどにより、自殺対策の推進体制の強化が図られることとなりました。さらに、地域自殺対策予算が恒久財源化され、継続的な地域自殺対策を後押ししています。  さらに、ことし七月に決定された新自殺総合対策大綱は、スクールカウンセラー等の配置推進や資質向上等による子ども・若者の自殺対策や、電通社員の過労自殺を契機に進む、働き方改革を受けた長時間労働の是正など勤務問題による自殺対策の推進強化を打ち出しています。  県議会においては平成二十二年十月に、自殺対策の一環として、うつ病対策について政策提言を行っており、官民の連携強化、相談しやすい体制づくり、人材育成など実効ある取り組みを求めたところであります。  自殺によって一人の命が失われると同時に、遺族や友人など周囲の人々が深刻な心理的影響を受けるとされており、全国で毎年少なくとも数万人の方々が自殺問題に苦しんでおります。改正自殺対策基本法や新自殺総合対策大綱が掲げる、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて、自殺は、防ぐことのできる社会的な問題であるという共通認識のもと、地域の特性に応じた実効性の高い施策を講じていただきたいものであります。  そこで伺います。  第一点は、本県における自殺の現状と特徴についてお示しください。  第二点は、平成二十二年に県議会が行った政策提言「うつ病対策」に関するこれまでの取り組み状況と成果・課題についてお示しください。  また、本県における自殺対策の取り組み状況についてお示しください。  第三点は、本県の自殺対策計画の取り組み状況についてお示しください。  また、市町村計画の策定支援の取り組み状況についてお示しください。  以上、第三回の質問といたします。 33 ◯環境林務部長(古薗宏明君)昨年の台風十六号による山地災害の復旧状況についてであります。  台風十六号による山地災害は、林地崩壊四十八カ所、治山施設災害六カ所となっております。林地崩壊のうち緊急を要する十四カ所は、災害関連緊急治山事業等により今年度中に完了する予定でありまして、さらに、年度内に七カ所着手することといたしております。その他の箇所につきましても、危険度や緊急性等を勘案しながら逐次復旧することといたしております。また、治山施設災害につきましては、全て年内に完了する予定であります。  山地災害危険地区の整備状況についてであります。  県内の山地災害危険地区九千六百七十二カ所のうち、対策を講じている箇所は五千七百五十四カ所で、整備率は六〇%となっております。  県といたしましては、引き続き計画的な整備に努めるとともに、防災情報の提供などを行い、ハード・ソフト両面にわたる防災対策の推進に努めてまいります。  災害に強い森林づくりの取り組みについてであります。  災害に強い森林をつくるためには、適宜適切に森林整備を行い、保水能力や土砂崩壊防止機能の高い森林づくりを進めることが重要であります。このため、傾斜が緩やかで生産力の高い森林につきましては、適切な間伐等や皆伐後の確実な再造林を行うとともに、急傾斜の森林や生産力の低い森林につきましては、広葉樹林や混交林へ誘導するなど、災害防止機能等の向上を図ることといたしております。  また、森林の保水能力等の限界を超える集中豪雨が発生した場合は、山地災害が発生する危険性が高まりますことから、治山施設の整備も進めながら、災害に強い森林づくりに努めることといたしております。  なお、災害防止機能を維持するためには、御指摘にありました松くい虫等の被害を防除する必要もあり、地域の実情に応じた薬剤散布や伐倒駆除等に取り組んでおります。  近年の屋久島への入り込み客及び入山者の傾向についてであります。  平成二十八年度の入り込み客数は約二十七万人で、平成十九年度の約四十一万人をピークに減少傾向にあります。また、外国人客の総数についてのデータはありませんが、白谷雲水峡とヤクスギランドの外国人利用者数は、平成二十三年度の約三千人に対し、平成二十七年度は約一万人と大きく増加し、特に中国やドイツからの観光客が増加しております。主要山岳部の平成二十八年度の入山者数は約六万七千人で、平成二十年度の約十一万人をピークに減少傾向にあります。  入山者に関しましては、屋久島世界自然遺産・国立公園における山岳部利用のあり方検討会に提出されました環境省の資料におきまして、山岳ルートの利用者の中には登山経験の浅い入山者も多く、利用環境の厳しい箇所における遭難の一因になっていることが示唆されております。  屋久島の課題と今後の対応、奄美における取り組みについてであります。  屋久島は、世界自然遺産登録によりまして知名度が大きく向上し、観光客が山岳地域に集中するようになりましたことから、縄文杉ルートの混雑、し尿処理の問題、登山道やその周辺植生の荒廃、遭難の発生など、さまざまな課題も生じております。  県といたしましては、山岳地域に集中する観光客の分散を図りますため、里のエコツアーの取り組みを推進いたしますとともに、山岳部利用のあり方検討会や屋久島山岳部保全利用協議会での検討を踏まえまして、し尿や周辺植生への対策、登山道の点検・補修などの安全対策等に関係機関と連携して取り組んでいるところであります。  奄美におきましては、屋久島の課題等も踏まえまして、観光客の増加が予想される金作原等について、利用のルールの検討を行いますとともに、利用の分散を図りますため、奄美自然観察の森のリニューアルや世界自然遺産奄美トレイルの設定を進めているところであります。また、世界自然遺産としての価値の維持を図りますため、希少種の保護対策、公共事業における環境配慮への推進なども進めております。  さらに、自然環境を保全しつつ観光客の満足度の向上を図りますため、奄美群島広域事務組合では、エコツアーガイド認定制度を創設し、本年八月に五十六名の認定ガイドが誕生したところであります。  県といたしましては、観光客の増加も見据え、関係機関と連携を図りながら、引き続き必要な取り組みを進めてまいります。  IUCN現地調査の状況等についてであります。  IUCNによる奄美大島、徳之島など四島の現地調査は、来月十一日から二十日まで実施される予定でありまして、行程等の詳細につきましては今後、環境省から示されることとなっております。現地調査への対応は国が中心となりますが、県といたしましても、地元市町村等と連携しながら、推薦地域の保全管理状況やその体制等につきまして説明等を行うことといたしております。  登録に当たりましては、地域住民の理解と協力の状況も重要な要素でありますことから、現地調査におきまして、地域住民の方々の登録への熱意が調査員に伝わるよう努めてまいりたいと考えております。  奄美の国立公園指定に伴う規制周知についてであります。  奄美大島の国立公園特別地域内におきまして、違法な昆虫トラップが相次いで発見されたことを受けまして、トラップが設置されていた場所に通じる市道等に環境省との連名で注意看板四基を設置いたしますとともに、SNSを活用し、国立公園の規制について改めて注意喚起を図ったところであります。  県といたしましては、これまでも地元新聞等を通じて規制の周知に努めてきたところでありますが、今月から、国及び地元市町村との合同企画として、各市町村広報誌に規制に係る記事を掲載することとしており、引き続き関係機関と連携しながら、島内外に向けまして広く周知を図ってまいります。  ヒアリなど外来アリに関する調査状況についてであります。  特定外来生物であるヒアリにつきましては、本年六月に国内で初めて確認されて以降、これまでに十一都府県十九事例が確認されております。国におきましては、全国六十八港湾における調査を八月から順次実施しておりまして、本県でも鹿児島港、川内港、志布志港の三港湾で目視や粘着トラップの設置による調査が行われ、ヒアリは発見されませんでしたが、同様の調査を今月と来月にも実施することといたしております。  また、侵略的外来種とされているアシナガキアリが本年六月県本土で初確認され、防除を実施したところであり、その後、生息は確認されておりませんが、専門家や関係機関と連携して定期的な監視に努め、定着防止を図ってまいります。  ヒアリなどが県内で発見された場合の対応についてであります。  特定外来生物は、外来生物法に基づき、現在百三十二種類が指定されておりまして、このうちヒアリなど十一種類は、人の生命・身体に影響があるとされております。  特定外来生物の防除につきましては、国が直接行うものとされておりまして、港湾等で侵入が確認されたヒアリにつきましては、全ての確認地点におきまして、国による防除やモニタリング調査が実施されているところであります。  県内におきまして、人的被害を及ぼすおそれのあるヒアリなどが発見された場合は、国において防除がなされることとなりますが、県といたしましても、県民の安心・安全を確保する観点から、市町村とも連携しながら、国に協力することといたしております。 34 ◯土木部長(渡邊 茂君)昨年の台風十六号による土砂災害に係る復旧状況についてです。  土砂災害が発生した地区においては、三十二カ所の対応を行っています。災害復旧事業二十四カ所については、八月末現在十三カ所が完了し、災害関連緊急砂防事業等八カ所については、三カ所が工事発注済み、残る五カ所が発注準備中です。  今後とも、地域住民の御協力をいただきながら、早期の完成に努めてまいります。 35 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)まず、条例に基づく相談対応件数等についてであります。  障害を理由とする差別に関する相談等については、障害者くらし安心相談員等が対応しており、条例施行から昨年度までに延べ二百五十七件の相談が寄せられております。このうち、不利益な取り扱いに関するものは二十四件、合理的配慮に関するものは三十四件となっており、これらについては、相談者に対して必要な助言等を行うとともに、必要に応じて関係者間の調整を行っております。  なお、これまでのところ、あっせんにまで至った事案はございません。また、相談者は肢体不自由の方が約半数であり、公共交通機関や商業施設における車椅子の利用に関する相談が多くなっております。  障害者差別解消法や条例の普及啓発に係る取り組み状況についてであります。  法律や条例については、その趣旨を広く県民に理解していただくことが重要でありますことから、毎年度街頭キャンペーンを実施するとともに、関係団体や事業者の会議、研修会等の場における説明、事業者への戸別訪問等を行っておりますほか、リーフレット等の配布、県政広報番組などでの広報を行っております。  法律や条例の内容については、障害当事者や福祉関係の方々の間では一定の理解が進んでいるものと認識しておりますが、広く県民の方々にさらに理解を深めていただく必要があるものと考えております。このため、引き続き、県民の方々の法律、条例に対する理解の促進に努めてまいります。  次に、障害者計画についてであります。  県では、平成二十五年度から二十九年度までを計画期間とする鹿児島県障害者計画を平成二十五年三月に策定し、各般の障害者施策に取り組んできたところでございます。  この間、例えば、パーキングパーミット制度の協力施設数が増加するとともに、七つの障害保健福祉圏域全てに障害者就業・生活支援センターが設置されるなど、一定の成果があったものと考えております。  県におきましては、次期計画の策定に向け、障害者団体との意見交換等を実施したところであり、本年十月を目途に国が策定する障害者基本計画を踏まえ、障害のある人もない人もともに生きる社会を目指す新たな計画を本年度末までに策定することとしております。  続きまして、自殺の現状と特徴についてであります。  本県の自殺者数は、人口動態統計によると、平成十八年の五百七人をピークに毎年減少し、平成二十七年は三百十二人となっております。  自殺者数を年代別に見ますと、六十歳代が最も多く、次いで五十歳代となっており、全国と比べ四十歳代が少ない一方で、八十歳以上が多くなっております。また、全国と同様に、十歳から二十歳代の死因の第一位が自殺となっております。  自殺の原因・動機については、平成二十八年の警察統計によると、うつ病や身体疾患などの健康問題が最も多く、次いで経済・生活問題、家庭問題の順となっており、全国と同様の状況にございます。  うつ病対策及び自殺対策の取り組み状況についてであります。  県におきましては、県議会からの政策提言も踏まえ、自殺対策連絡協議会の開催、精神保健福祉センターの相談機能の充実・強化、かかりつけ医うつ病対応力向上研修会の開催などに取り組んできたところであります。また、労働安全衛生法の改正により、五十人以上の事業所においてはストレスチェックの実施も義務づけられたところであります。こうした取り組みは、本県の自殺者数の減少に寄与していると考えておりますが、一方で、うつ病は依然として自殺の主な原因となっておりますことが課題であると認識しております。  県におきましては、自殺予防情報センターを設置し、自殺を考えている方や自死遺族等からの相談に対応しているほか、関係機関と連携して、街頭キャンペーンなどの普及啓発、人材育成、生活困窮者など自殺のリスクの高い方々への支援など、総合的な自殺対策に取り組んでおります。  また、若年層の対策として、学生向けリーフレットを県下全中学校に配布したほか、高等学校等におけるゲートキーパーの養成などに取り組んでいるところであります。  さらに、本年度は、川薩保健所圏域において、自殺未遂者が再び自殺を図ることを防止するため、救急医療機関、保健所、支援機関等の職員が連携して対応する体制を構築したところであり、今後、他の保健所圏域においても同様の体制を構築してまいります。  県の自殺対策計画等についてであります。  自殺対策基本法の改正により、都道府県、市町村に自殺対策計画の策定が義務づけられたところであります。県計画については、国の自殺総合対策大綱や地域の実情を勘案するほか、計画策定ガイドラインを参考に策定することとされております。本県においては、現在、自殺者の状況分析等を行っているところであり、今後、有識者、住民代表等で構成する協議会において、計画策定に向けた協議を行うこととしております。  また、市町村計画の策定支援については、去る八月九日に市町村長等を対象とした地域自殺対策トップセミナーを開催したところであり、今後とも、計画策定に向けた研修会の開催、自殺に係るデータ分析結果の提供などを行ってまいります。 36 ◯企画部長(東條広光君)障害者差別の解消に関しまして、公共交通機関のバリアフリー化の取り組み状況等についてのお尋ねでございます。  公共交通機関のバリアフリー化につきましては、各事業者において取り組みが進められているところであります。航空関係では、車椅子搭乗用の昇降機が設置され、また航路関係では、車椅子のまま乗下船できるよう福祉車両が船内に配備されるなど、車椅子利用者に配慮した取り組み等が行われております。また、バスではノンステップバスの導入が図られ、鉄道では駅舎にエレベーターが設置されるなどの取り組みが進められております。  県としましては、ノンステップバスの導入や鉄道駅のバリアフリー化等に補助を行うとともに、各事業者が活用可能な支援制度の情報提供を行うなど、公共交通機関のバリアフリー化が進むよう努めているところでございます。  なお、奄美空港発着のバニラ・エアに関しましては、その後に、アシストストレッチャーや昇降機が導入されたところであります。 37 ◯教育長(古川仲二君)学校における自殺対策の取り組み状況についてでございます。  児童生徒がみずからの命を絶つことは、理由のいかんを問わずあってはならないことであると考えております。このため、学校では、みずからの命の大切さを自覚させ、他の命を尊重する態度を身につけさせる教育に取り組むことや、児童生徒の心身の変化の早期発見が重要であると考えておりまして、生と死を学ぶ読み物集を作成・配布いたしますとともに、道徳の授業などで命の大切さを考える授業を行っております。  また、スクールカウンセラー等の派遣、かごしま教育ホットライン24の設置など、相談体制の充実を図っております。  なお、全国的に長期休業明けに児童生徒の自殺が急増する傾向があるため、本年六月に県立学校や市町村教委に対しまして、教育相談の実施や家庭における見守りの依頼など、自殺予防の取り組みを積極的に行うよう通知いたしたところでございます。 38 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)職場における自殺予防に向けた取り組みにつきましては、厚生労働省は、平成十八年三月に、労働者の心の健康の保持増進のための指針を定め、本県におきましても、鹿児島労働局を中心に、この指針の普及・定着を図っているところでございます。  また、県におきましても、鹿児島労働局等の関係機関と連携しながら、県広報誌や労働セミナー開催等を通じて、長時間労働の是正やメンタルヘルス対策、ハラスメント防止などの普及啓発及び自殺防止の呼びかけを行っているところであり、県といたしましては、今後とも、職場における自殺予防に向けた取り組みの促進に努めてまいりたいと考えております。    [堀口文治君登壇] 39 ◯堀口文治君 それぞれ御答弁いただきました。  災害に強い森林づくりについてでありますが、放置林対策が流木災害のリスク軽減につながる一方で、今回の豪雨災害では、治山・砂防対策の重要性が指摘されております。林野庁の調査チームが流木発生を抑える治山対策報告をまとめるとのことであり、本県の山地防災対策の強化につなげていただくよう要望いたします。  世界自然遺産についてでありますが、来年夏の奄美の世界自然遺産登録に向けて最終段階を迎えつつあります。屋久島における課題や取り組み事例を踏まえつつ、登録後を見据えた各般の環境整備や保全管理のあり方などを検討し、二つの世界自然遺産を有することとなる本県の魅力度アップに努めていただきたいと考えております。  外来生物対策についてでありますが、国内各地でヒアリの発見が相次いでおり、海外の事例からは、水際対策・初動対応の重要性が指摘されております。沖縄県の取り組みを参考に徹底した対応を要望いたします。  障害を理由とする差別解消の推進についてでありますが、障害者差別解消法や条例の趣旨を踏まえ、引き続き、継続的かつ実効的な取り組みを推進されるよう要望いたします。  最後に、自殺対策についてでありますが、専門家は、地域の自殺の実態をしっかりと把握し、特性に応じた対策をとることが必要であり、また、地域の支援機構や専門家の連携を図ることが重要であると指摘しております。県の自殺対策計画の策定とともに、市町村計画の策定についての支援に努めていただくよう要望いたします。  以上、県政の課題について質問してまいりました。  さて、先般宮城県で開催されました第十一回全国和牛能力共進会において、本県が全出品九区中四区で一位を取得し、団体賞で総合優勝を獲得したことは、本県にとって待ちに待った朗報でありました。  和牛能力共進会は、全国の優秀な和牛を五年に一度、一堂に集めて和牛改良の成果を競う和牛のオリンピックとも言われる大会であり、各道府県の威信をかけた非常に重要な大会となっております。  今回の総合優勝は、本県勢の底力を示すものであり、出品者を初め、多くの畜産農家の方々や県、JA県経済連など関係者の御努力に心から敬意を表するところであります。  一方、二位の宮崎県、三位の大分県は、最高賞に当たる内閣総理大臣賞を受賞するなど、九州勢が上位を独占し、和牛王国のレベルの高さを見せつけたところでもございました。  来年の明治維新百五十周年や二〇二〇年の東京オリンピック、鹿児島国体を控え絶好の追い風となるものであり、鹿児島黒牛のブランド確立と販路拡大につなげるとともに、五年後の鹿児島全共での連覇を目指して一層の取り組みを期待するところであり、私どもも一丸となって支援してまいりたいと考えております。  さて、安倍首相が今月二十八日に召集される臨時国会冒頭にも衆議院を解散する意向を固めたとのことであります。来月二十二日の投開票を軸に調整が進むものと報ぜられており、突然の解散風により、総選挙に向けた準備が一気に加速するものと思われます。  今回、総選挙となれば、衆議院議員小選挙区の改定により、本県の小選挙区が五から四に一減となって初めての選挙となります。責任政党として私どもも心して臨んでまいる所存であります。  本日は、私の地元出水より二時間かけて多くの出水市民の方々が議会傍聴に来ていただいております。まことにありがとうございます。心から感謝申し上げます。  県内外の情勢は慌ただしさを増しておりますが、私どもは、県民生活の安全と安定、県勢の発展に向けて、引き続き最大限の取り組みを行ってまいる所存であることを申し上げまして、自由民主党県議団の代表質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 40 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 41    △ 日程報告 ◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、代表質問であります。
          ───────────── 42    △ 散  会 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十五分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...